Project/Area Number |
23931015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
臨床医学
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Research Institution | 茨城県立こども病院 |
Principal Investigator |
加藤 啓輔 茨城県立こども病院, 小児血液腫瘍科, 科長/医師
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Project Period (FY) |
2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2011: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
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Keywords | 急性リンパ性白血病 / 再発 |
Research Abstract |
小児急性リンパ性白血病(ALL)の再発の遺伝学的なメカニズムを明らかにするために、初発時と再発時におけるT細胞受容体遺伝子や免疫グロブリン遺伝子の再構成パターン、IKZF1遺伝子の欠失の有無、P2RY8-CRLF2融合遺伝子の有無をPCR法とRT-PCR法、MLPA法で検討した。検討したのは13例で、ダウン症に発症したALLを2例含んでいる。 低2倍体の1例とダウン症に発症したALLの1例を除き、全ての症例は初発時と再発時とでT細胞受容体遺伝子や免疫グロブリン遺伝子の再構成パターンは、部分的には合致しているものの、完全に合致するものではなかった。ところが2例は初発時と再発時とで再構成パターンは同一で、塩基配列も同一であった。5例でP2RY8-CRLF2融合遺伝子が検出された。このうち3例は再発時にはP2RY8-CRLF2融合遺伝子が検出されなくなっていた(このうち1例はダウン症に発症したALL)。また2例は再発時に検出されるようになった。また2例は初診時よりIKZF1遺伝子の欠失が認められ、1例は再発時に新たに認められるようになった。P2RY8-CRLF2融合遺伝子は特にダウン症に発症したALLでは白血病発症の関与する重要な因子であるとされているが、我々は再発時に融合遺伝子が検出されなくなった3例を経験した。つまりALLの再発には経時的な遺伝子変異の蓄積が関与しているのではなく、遺伝子の変異はランダムな事象であることが示唆される。またP2RY8-CRLF2融合遺伝子はダウン症に発症したALLにおいても白血病化初期の事象ではなく、後期の事象であることが示唆された。T細胞受容体遺伝子や免疫グロブリン遺伝子の再構成パターンの解析からは再発のクローンは初診時のクローンの兄弟もしくは祖先のクローンに関連したクローンであることがほとんどであり、治療が十分に効かなかったという単純な理由が再発の原因ではないことを示している。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)