Project/Area Number |
23931038
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
臨床医学
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
松田 和之 信州大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師
|
Project Period (FY) |
2011
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
|
Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
|
Keywords | キメラ抗原受容体 / GM-CSF受容体 / トランスポゾン |
Research Abstract |
【研究目的】近年、細胞免疫療法としてキメラ抗原受容体(chimeric antigen receptor,CAR)を発現させた遺伝子改変T細胞療法が報告され、侵襲性の低い次世代治療法とされる。本研究では、NF1、RAS、PTPN11等の遺伝子異常によるGM-CSF受容体-RAS/MAPKシグナルの恒常的活性化を特徴とする若年性慢性骨髄性白血病(JMML)を対象として、GM-SCF受容体に対するCARを用いたpiggy Bacトランスポゾン法による非ウィルス遺伝子改変T細胞の構築と抗腫瘍細胞効果を解析し、JMMLなど血液疾患に対するGM-CSF受容体CAR-T細胞免疫療法の可能性を検討することを目的とした。【研究成果・課題】当初、GM-CSF受容体と結合する分子として、抗GM-CSF受容体モノクローナル抗体の可変部位・超可変部位から成るsingle chain Fv(scFv)を用いることを計画していた。しかし、特異的抗体を産生するハイブリドーマを得ることが出来なかった。そのため、次にGM-CSF受容体と結合する分子として、受容体のリガンドであるGM-CSFを利用することを考案した。具体的な方法と成果について、まず、細胞株U937よりmRNA抽出およびcDNA合成を行った。その後、GM-CSF全長について、PCR法を行い、pTA2ベクターにサブクローニングを行った。その後、全長GM-CSF遺伝子配列の前後に分泌シグナル配列(66塩基)および免疫グロブリン定常領域のヒンジドメインをコードする塩基配列(52塩基)を付加させるため、プライマーに各配列を付加させ、pTA2上のGM-CSFを鋳型として、PCRを行い、サブクローニングを繰り返した。最終的に、(分泌シグナル配列)-(GM-CSF全長)-(ヒンジ配列)のコンストラクトを作製した。今後、CARの細胞質内ドメイン(CD28・T細胞受容体zeta鎖複合体)と本研究で作製したコンストラクトを結合させ、CARトランスポゾンベクターを作製する。また、GM-CSFのGM-CSF受容体α鎖との結合面内、あるいはシグナル活性化に必須の多量体形成に関わるβ鎖との結合面に変異や欠失導入し、GM-CSF受容体活性化を最小限に抑えながら、CARによる抗腫瘍細胞効果を発揮できる系を確立したい。
|