Research Abstract |
本研究では,体つくり運動Gボール単元の設定効果を確認するとともに,その活動単位について,2人組を中心とすることで,多くの学校でも容易に実施できるような単元構成,指導方法を研究することを目的とした。 単元構成に関する研究においては,単元全体を通して,生徒同士が2人組で互いの動きを観察したり手をかしたりして常助し合うことが,運動への理解を深め,2人組での活動を中心とした授業を展開した。単元が進み,運動に関わる人数が増える際も2人組を一つのユニットととらえ,このユニットがいくつか集まってグループを構成するようにした。 バランス能力向上に関する研究においては,バランス能力向上の指標として,ボール上に膝立ち姿勢で乗る「ボールロデオ」の持続秒数及び,「はし置きローリング」の往復回数,また,客観的なバランス測定方法として,ファンクショナルリーチ測定器による測定を行い,比較した。ボールロデオは単元を通して4回,はし置きローリングにおいては3回測定し,ファンクショナルリーチ測定器による測定は,単元の最初と最後に行った。 ボールロデオでは,測定1回目の平均値は27.7秒,測定2回目の平均値は33.1秒,測定3回目の平均値は35.0秒,測定4回目の平均値は39.4秒であり,測定1回目と比べ,それぞれ有意な差が見られた。 また,はし置きローリングにおいては測定1回目の平均が4.76回,測定2回目が5.97回,測定3回目が6.77回であり,単元の進行とともに有意に記録が伸びた。 ファンクショナルリーチ測定器による測定については,単元最初の平均が41-8cm,単元最後の平均が43.6cmと平均値は増加しているが,有意な差は見られなかった。 以上のことから,Gボールを用いた体つくり運動の単元は,2人組を中心とした指導方法においてもバランス能力の向上に効果的であることが再確認された。
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