Project/Area Number |
23H00029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 4:Geography, cultural anthropology, folklore, and related fields
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小島 泰雄 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (80234764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野寺 淳 横浜市立大学, 都市社会文化研究科, 教授 (50292206)
高橋 健太郎 駒澤大学, 文学部, 教授 (30339618)
松村 嘉久 阪南大学, 国際学部, 教授 (80351675)
張 貴民 愛媛大学, 教育学部, 教授 (50291620)
杜 国慶 立教大学, 観光学部, 教授 (40350300)
阿部 康久 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (10362302)
柴田 陽一 愛知県立大学, 日本文化学部, 准教授 (60804044)
夏目 宗幸 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 准教授 (50906732)
原 裕太 東北大学, 災害科学国際研究所, 助教 (50866910)
宋 弘揚 梅光学院大学, 文学部, 講師 (00966103)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥41,730,000 (Direct Cost: ¥32,100,000、Indirect Cost: ¥9,630,000)
Fiscal Year 2024: ¥8,450,000 (Direct Cost: ¥6,500,000、Indirect Cost: ¥1,950,000)
Fiscal Year 2023: ¥9,490,000 (Direct Cost: ¥7,300,000、Indirect Cost: ¥2,190,000)
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Keywords | 地理学 / 中国 / 空間構造 / 高度経済成長 / 人文地理学 |
Outline of Research at the Start |
中国における高度経済成長期は、「世界の工場」と称されるに至る工業化に伴う産業構造・立地の変化のみならず、経済成長のもう一つの支柱である都市の発達と、付随する農村の衰退、環境の問題化、消費文化の浸透や観光の活性化、教育の転換、人口移動の活発化と少子高齢化の顕現など、社会・文化の多面的かつ多様な変化を伴うものであった。高度経済成長下で進行した中国の空間構造変化の解明をめざして、国家・広域・都市の3つのスケールに焦点を合わせ、かつスケールを越境する関係性に着目し、フィールド調査に熟達した地理学研究者による調査・研究を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の初年度にあたる本年度は、研究集会を頻繁に開催したことで、科研メンバー間での共通認識の醸成が進んだ。5月のキックオフミーティングではメンバーの分担と協働について集中的な討論が行われ、調査研究の方向性について理解を深めた。7月にメンバー全員が京都に集まり2日間にわたる研究集会を開催し、各自の調査研究の目標と方法をめぐって議論を行った。中国の高度経済成長期における空間構造変化の多様なありかたを考察するための課題を明確化するとともに、解明の道筋について理解が深められた。 夏季には、コロナ禍により長く中断されてきた中国におけるフィールド調査を再開し、広州・北京における研究交流など個別に行われた。現地研究者との対話からは、中国において一般に用いられてこなかった「高度経済成長」という概念が、対象となる1990年代から2010年代までの20年あまりの急速に変化した中国を理解するための枠組みとして有効であることが確認された。12月には経済地理学の専門家を招き、日本の高度経済成長の空間構造変化に関する研究集会を行い、中国と比較検討する可能性について認識を新たにした。 1月には中国広東省で臨地研究集会を行い、中国と香港の研究者を招聘した国際ワークショップ「経済特区から創造都市へ」を華南師範大学地理科学学院との国際研究協力の下で開催し、深センで実施した巡検とあわせて、深センの高度成長期の変化をめぐる理解を深めた。 3月に東京で開催された日本地理学会春季学術大会における複数の口頭発表を通して、広く地理学研究者に初年度の調査研究成果を紹介し、議論を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究集会を頻度高く開催することで、本研究課題についての科研メンバーの理解が深まり、本研究課題の目標を実現するための共通認識を醸成することができた。 本研究課題が重視するフィールド調査については、コロナ禍による中断からの再開にたどりついたが、種々の理由から中国の研究機関の海外学術調査の受け入れ態勢が整っておらず、本格的な実施への試行錯誤を続ける必要がある。 国際学術交流として広州と深センで実施した臨地研究集会では、現地研究者との深く広い意見交換を通して、本研究課題の意義と可能性を確認することができた。 初年度の研究成果は、学会大会における口頭発表を通して個別に公開され、さらなる学術貢献の基盤が形成された。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に醸成された本研究課題をめぐる共通認識に立脚して、科研メンバーによる調査研究を深化させてゆく。とくに再開にたどりついた中国におけるフィールド調査を多面的に進めることに注力してゆく。またその際に、若手研究者の育成を重視し、カウンターパートの紹介やフィールドへの同行を通して、フィールド調査の経験を伝えることを進める。 本研究課題は中国における高度経済成長の空間構造変化を、国家・広域・都市の3つのスケールを設定して調査研究を進めているが、令和6年度には国家スケールの空間構造変化にかかわるシンポジウムを開催し、研究成果の公開と研究者との討論を進めてゆく。 個別の調査研究活動を協働による研究課題の解明に結びつけるために、研究集会を頻度高く開催する。その際に臨地研究集会についても実現をめざす。 研究成果を学術界に公開して議論を深めるとともに、科研HPや講演会などを通して得られた知見の社会的な還元を進める。
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