Project/Area Number |
23H05239
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3110:Agricultural chemistry, agricultural and environmental biology, forestry and forest products science, applied aquatic science, agricultural economics and rural sociology, agricultural engineering, veterinary medical science, animal science, and related fields
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Research Institution | Kyoto City Zoo |
Principal Investigator |
Nakagawa Daisuke 京都市動物園, 種の保存展示課, 獣医師
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥480,000 (Direct Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2023: ¥480,000 (Direct Cost: ¥480,000)
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Keywords | アジアゾウ / 飼育下 / 発情期推定 / 発情同期化 / 動物園 / 飼育下ゾウ |
Outline of Research at the Start |
アジアゾウは日本動物園水族館協会の定めるコレクションプランにおいて、最も優先的に繁殖に取り組むべき種の一つとされているが、国内の繁殖成功例は少ない。理由は多数あり、発情周期が約100日と長いこと、ゾウの生態に基づき常時雌雄同居はできないこと、発情兆候が分かりにくいこと等が挙げられる。 本研究はアジアゾウにホルモン処置を実施することで定時的な発情誘起を試みるものである。実現できれば、繁殖適期の推定が不要となり、国内飼育下個体群の拡大に大きく寄与すると考えられる。またゾウ以外の野生動物においても応用が期待でき、絶滅危惧種の繁殖を助ける重要な技術になると考えられる。
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Outline of Final Research Achievements |
アジアゾウの発情期推定のため、雌1頭の血中ホルモン動態と外観や行動の変化を調べた。まずプロゲステロン(P4)を酵素免疫法(EIA)及び質量分析法(LCMS)で測定した。EIAの値はLCMSの10倍でP4以外のゲスターゲンも捉えていると考えられた。次にP4と他のゲスターゲンとして5α-ジヒドロプロゲステロン(5α-DHP)及びアロプレグネノロン(5α-P-3- OH)を比較した。3者の動態は同様で5α-DHP及び5α-P-3-OHからも発情期が推定できた。最後にP4と陰部変化及びマウントを比較した。陰部はP4及びマウントから推定した排卵日より先に変化したため、同居開始の指標にできると考えられた。
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Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements |
動物園のアジアゾウ繁殖例は少ない。発情周期が約100日と長いこと、発情期以外に雌雄同居しない管理が望まれること、発情兆候が分かりにくいこと、等の理由がある。本研究ではホルモン剤による定時排卵誘導(発情同期化)を計画した。しかし、発情期推定の知見蓄積により、人為的なホルモン処置が現状必須ではないと考えられたため、今後ホルモン処置が必要な場合に備え、雌の血中ホルモン動態と外観や行動の変化を調べた。 今回発情期推定の知見が得られたことでアジアゾウの繁殖に寄与できると考えられる。また陰部変化による発情期推定は採血法と比較して、非侵襲的で毎日実施できる点が優れており、動物福祉にも配慮した手法と言える。
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