Project/Area Number |
23K00025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01010:Philosophy and ethics-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 芳久 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (50375599)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 一神教 / 比較哲学 / キリスト教 / ユダヤ教 / イスラム教 / トマス・アクィナス / イブン・ルシュド / マイモニデス / 宗教哲学 / 中世哲学 / イスラーム哲学 |
Outline of Research at the Start |
我が国においては、西洋中世哲学の研究は活発に行われており、イスラーム哲学やユダヤ思想の研究に関しても、一定程度以上の蓄積が既にあります。ですが、これらの蓄積を踏まえたうえで、そのすべてを俎上に載せたうえで、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教という三大一神教の思想構造を比較哲学的に捉えるような研究は、未だ殆ど行われていないというのが現状です。そのような状況の中で、本研究においては、法思想に着目しつつ、トマス・アクィナス、マイモニデス、イブン・ルシュドという、それぞれの一神教を代表する論者のテクストを綿密に解読しながら、三大一神教の中世法思想の比較哲学的研究を遂行することを目指しています。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、別々に研究されることの多い西洋中世哲学、イスラーム哲学、ユダヤ哲学を同じ土俵に乗せ、以下のような三つの成果を得ることである。第一は、思想史研究における空白部分を埋め、古代哲学からイスラーム哲学・ユダヤ哲学を経てラテン・キリスト教世界に至る哲学史の多角的な再検討を行なうという基礎的研究の遂行である。第二に、法の哲学的根拠づけという哲学の根本問題の一つに関して、比較哲学的観点から取り組む。第三に、現代の焦眉の課題である文明間対話に関して、西洋近代的な観点からのみ取り組むのではなく、共通の地平の中で文明を形成していたとも言える中世哲学の時代に着目することによって、三文明間の連続性と非連続性の詳細を明らかにし、新たな対話の可能性を見出す。すなわち、本研究は、哲学史的・文献学的研究、法哲学的探求、文明論的対話という相互に連関した重層的な目的を有する。 この比較研究の中心軸となるキリスト教世界の神学者・哲学者であるトマス・アクィナス(1225頃-1274)は、2024年3月7日に没後750周年を迎えた。本研究の研究代表者である山本は、トマス没後750周年を記念してバチカンの社会科学アカデミーによって企画されたワークショップ(2024年3月7日~3月8日)に招待され、発表を行うとともに、キリスト教神学に関する世界的な研究者たちと密接な交流の機会を持ち、本研究の進展のための様々な手がかりを得ることができた。トマス・アクィナスの社会思想に関するこのワークショップで獲得した知見を元に、翌年度以降の研究を引き続き進めていく予定である。 また、「中世法思想」という本研究の中心テーマに関しては、その主要テクストであるトマス・アクィナス『神学大全』の「法論」の部分に関して、編者の一人として、『精選 神学大全 2 法論』(岩波文庫)を刊行することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
関連する古典テクストの読解と二次文献の収集・読解を着実に進めるとともに、バチカン主催のワークショップにおける世界的な研究者たちとの議論の機会も持つことができ、研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のとおり、研究はおおむね順調に進展しているため、これまでどおりの計画で研究を推進していく予定である。
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