フランス実存主義哲学の日本での受容についての基礎的研究
Project/Area Number |
23K00042
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01010:Philosophy and ethics-related
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
加國 尚志 立命館大学, 文学部, 教授 (90351311)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 日本思想 / フランス哲学 / 加藤周一 / サルトル / 草稿 |
Outline of Research at the Start |
立命館大学平井嘉一郎記念図書館加藤周一文庫所蔵の加藤周一の手稿ノートを整理・調査し、加藤周一がサルトルの思想をどのように受容していたかを研究する。具体的には、加藤周一が講談社『人類の知的遺産 サルトル』を執筆した際に、サルトルについて残しているノートを整理・調査する。そのことにより、フランス実存主義思想の戦後日本での受容のあり方についての研究を行う。このことは、フランス哲学の日本における受容についての研究として受容史研究の側面を持つとともに、日本の戦後思想形成の過程についての研究に資するものとなるはずである。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、立命館大学加藤周一文庫所蔵の加藤周一の遺稿ノート資料群の調査を行った。また、そのために、同文庫所蔵の資料整理のためにアルバイトを雇用して、資料整理を行った。 今回の資料調査の結果、本研究の目的となる、加藤周一による『サルトル』執筆のための資料をはじめとして、未公開のサルトル関連資料を収集することができた。まず同文庫所蔵の加藤周一が所有していたサルトル関連の文献のリストアップを行うことができた。またサルトル来日時のフランス語対談の記録であり、翻訳(『サルトルとの対話』人文書院)でのみ知られていた「Conversation (NHK)avec Sartre,Shirai」などの貴重な草稿をリストアップすることができた。そのノート断片は39項目104枚となる。これらは概ねフランス語と日本語で書かれており、加藤によるサルトル読解を理解する助けとなるものである。また加藤によるサルトル関連の雑誌切り抜き、ゲラ、原稿など58項目をリストアップすることができた。これらは、加藤のサルトル論の生成過程の研究に大いに役立つことになると思われる。これらは、今後の研究のための重要な資料となるものであり、一年目としては十分な成果を得たと言うことができる。 2023年度に資料調査の作業をここまで進めることができたということは、2024年度より、本格的な資料読解作業に着手することができる見通しが立てられたということになる。2024年度は、これらの資料読解の成果を研究ノート等の形で公表していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
加藤周一文庫での資料調査に関して立命館大学研究員半田侑子氏、加藤周一現代思想研究センター顧問鷲巣力氏をはじめとして、加藤周一文庫の資料整理に携わる院生諸氏の協力を得ることができ、想定以上に多くの資料を収集することができた。これはとても私一人の力ではなしえなかった成果であり、半田氏をはじめ、ご協力いただいた方々に感謝したい。これらの資料とともに、2024年度は資料の読解や解釈を行う予定であり、最終的な研究目標の達成に向かう見通しをつけることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、2023年度にリストアップすることのできた資料の読解を行い、その成果を研究ノートの形で公表することを目指す。また資料の読解のみではなく、加藤周一のサルトル思想受容について、加藤の既存著作の読解なども踏まえて、全体的な視野に立った論文執筆の準備を行う。また加藤周一文庫所蔵の資料の整理・調査について、さらに継続することにより、資料調査を完全なものとしたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)