近代日本の宗教思想における女性性の意味と役割:一燈園西田天香新資料をベースにして
Project/Area Number |
23K00079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01030:Religious studies-related
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
水野 友晴 関西大学, 文学部, 教授 (90743203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 良介 公益財団法人日独文化研究所, その他部局等, 所長 (30093165)
小林 丈広 同志社大学, 文学部, 教授 (60467397)
末村 正代 南山大学, 南山宗教文化研究所, 研究員 (60809664)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 宗教と女性性 / 西田天香 / 一燈園 / 女性信者 / 女性性 / 近代日本 / 宗教 |
Outline of Research at the Start |
本研究の概要は、「女性性」という観点から近代日本の思想、道徳、宗教、社会的実践等に横断的に考察を加えるという、いま取り組まれるべき必須の学術的課題について、新発見の西田天香新史料を研究者や世間一般に客観的史料として公開することと、天香新史料を通じて近代日本の宗教思想における女性性の意味と役割について考察することから考究するというものである。 そのために西田天香新史料の翻刻に加えて、史料に関係する現地調査を行い、共同研究会で研究成果を交換し、最終的に学会発表やデジタルアーカイブ化を通じて成果発信を行う研究である。
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Outline of Annual Research Achievements |
ひとつの宗教が具体的に成立するにあたっては、教祖の精神性やその教義内容についてこれらを単体としてバラバラに注目するだけでは不十分であり、その宗教がどのような人々によって支えられていたか、教祖の精神性や教義内容が基づく基盤的精神性はどのようなものであったか、といった裾野や基盤の点にもあわせて注目が注がれる必要がある。本研究は、日本における教団成立において女性信者がどのような役割を果たしていたかという点から宗教を支えた人たちについての考察を、また、日本の宗教教団は教義内容にどのような形で女性原理を胚胎させているかという点から基盤的精神性についての考察を行うものであり、具体的な教団サンプルとして日本の近代社会成立期(明治中後期から昭和前期)に一大ムーブメントを起こした宗教的団体である一燈園について見ることにしている。これは未発見の新史料として、一燈園において開祖西田天香と彼の周囲の女性信者との間に交わされた膨大な量の往復書簡が発見されたためである。特に、この新発見資料には後に天香の妻となった奥田勝(照月)との間の交流の内容が判明する「西田天香・照月書簡」が含まれており、まずはその内容を分析することから研究が開始されている。 本年度は上記新発見資料「西田天香・照月書簡」の翻刻を行い、その内容から西田天香の宗教思想における女性性の役割や重要性について月1回の頻度で共同研究会を実施した。また、一燈園の成立において女性がどのような役割を果たしたのかを研究するために、一燈園に出入りした女性関係者として作家倉田百三の妹である艶子に注目し、彼女の人物像や文筆活動についても調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
西田天香・照月書簡の翻刻の進捗が予定よりも早く進行しており、当初よりも早く内容の把握や展望を描くことが可能となりそうである。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き西田天香・照月書簡の翻刻を進め、一燈園成立過程における女性および女性性の役割についてそこから読み取ることを行う。 月1回程度の共同研究会を継続し、西田天香・照月書簡の内容の共有・確認に務める。 一燈園に出入りした女性たちの足跡をたどり、一燈園成立過程における女性及び女性性の貢献の実際について現地調査を踏まえて研究を行う。調査地としては岩手県花巻市を予定している。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)