Project/Area Number |
23K00110
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01040:History of thought-related
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Research Institution | Anan National College of Technology |
Principal Investigator |
藤居 岳人 阿南工業高等専門学校, 創造技術工学科, 教授 (80228949)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
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Keywords | 懐徳堂 / 中井竹山 / 草茅危言 / 中井履軒 / 荘子雕題 |
Outline of Research at the Start |
本研究は「実学」の概念を「現実の政治実践に資する学問」と規定したうえで、江戸時代後期大坂の学問所懐徳堂の実学思想が、幕末期に至って幕府の昌平黌や諸藩の儒者を中心とした実学思想に昇華してゆく様相を分析する。 懐徳堂最盛期の儒者である中井竹山・履軒兄弟の実学思想は、明末清初期における経世致用の学と同様に、朱子学を主としつつもそれにこだわらない独自の儒学思想だった。その儒学思想は、幕末期の昌平黌や西国諸藩の藩儒らを中心とした実学思想へと展開してゆく。 この実学思想が政治思想として昇華し具体化する様相の分析を通して、日本近世思想史上において儒学が実学として定着してゆく過程の解明が本研究の目的である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、「実学」の概念を「現実の政治実践に資する学問」と規定したうえで、中国明末清初期の儒学の影響を受けた、江戸時代後期大坂の学問所・懐徳堂の実学思想が、幕末期に至って幕府の昌平黌や諸藩の儒者を中心とした実学思想に昇華してゆく様相の分析を進めている。 懐徳堂最盛期の儒者である中井竹山・中井履軒兄弟の実学思想は、明末清初期における経世致用の学と同様に、朱子学を主としつつもそれにこだわらない独自の儒学思想だった。その儒学思想は、幕末期の昌平黌儒官の佐藤一斎や西国諸藩の藩儒らを中心とした実学思想へと展開していった。この実学思想が政治思想として昇華し具体化する様相の分析を通して、日本近世思想史上において儒学が実学として定着してゆく過程の解明が本研究の目的である。 本年度は、懐徳堂儒者である中井竹山・中井履軒兄弟の実学思想の様相が彼らの著述のさまざまな方面に表われていることを中井竹山『草茅危言』、中井履軒『荘子雕題』を題材に分析した。中井竹山の『草茅危言』の提出は、老中首座だった松平定信と竹山との会談が契機となっている。松平定信は当時の最高権力者で寛政改革の主導者であり、その定信との接近に成功した竹山は、その実学思想を実現する大きな機会を得たと言える。この『草茅危言』の内容の分析を通して、『草茅危言』の提出が、竹山の実学思想の進展に大きく寄与していることを明らかにする。現在、その内容の詳細分析を継続中である。また、中井履軒の『荘子雕題』の内容分析を通して、懐徳堂の実学思想の基底となる合理的精神が彼らの著述に如実に反映されていることを解明することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的を達成するために、①懐徳堂第四代学主中井竹山の政治思想を取り上げて、中国明末清初期の儒者の著述と比較対照しつつ、彼の実学思想の性格を分析することと、②中井竹山の実学思想が昌平黌儒官佐藤一斎に与えた様相を明らかにすることと、③中井竹山の政治思想と、中井家と縁の深い播州龍野藩の藩儒らの実学思想とを比較分析することと、の三点を中心とした分析を進めた。 ①については、中井竹山の政治思想が窺える『草茅危言』の訳注作成を進めており、『草茅危言』に見える彼の実学思想を分析するための基礎資料作成の作業が進行中である。②については、佐藤一斎の『論語欄外書』『重職心得箇条』等の著述の読解を進めている。③については、龍野藩藩儒の小西惟沖が提議した社倉政策について、中井竹山の著述である『草茅危言』と『社倉私議』とを取り上げて、その内容分析を進めている。 上述の研究を進めるための基礎資料の文献調査も継続中である。懐徳堂学派の儒者に関する一次資料の多くは大阪大学附属図書館懐徳堂文庫、大阪府立中之島図書館に所蔵される。それ以外にも懐徳堂関係の資料は、たつの市立龍野歴史文化資料館等に、佐藤一斎関係の資料は東京都立中央図書館等において所蔵される。本年度は、たつの市立龍野歴史文化資料館、東京都立中央図書館の文献調査は実施できていないが、大阪大学附属図書館、大阪府立中之島図書館等の実見調査は実施できた。 以上のことから研究計画はほぼ順調に進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、①中国明末清初期の儒者の著述と比較対照しつつ、中井竹山の実学思想の性格を分析することと、②中井竹山の実学思想が昌平黌儒官佐藤一斎に与えた様相を明らかにすることと、③中井竹山の政治思想と、中井家と縁の深い播州龍野藩の藩儒らの実学思想とを比較分析することと、の三点を中心に懐徳堂学派に始まる実学思想の展開の分析をめざしており、全般的にほぼ順調に進んでいる。 ①については、引き続き中井竹山の実学思想の様相を分析するための基礎作業、すなわち、『草茅危言』等の読解を継続して、次年度以降の研究計画を進めてゆく。今後は、当初の計画に従って、①の作業を進めつつ、②中井竹山の実学思想が昌平黌儒官佐藤一斎に与えた様相を明らかにすることと、③中井竹山の政治思想と、播州龍野藩の藩儒らの実学思想とを比較分析することと、の二点を中心に研究を進める。 特に②については、佐藤一斎による『論語欄外書』『孟子欄外書』などの経学研究等の資料の読解を前年度に引き続き継続して、中井竹山の実学思想との異同について分析を進める。また、③については、中井竹山の『草茅危言』『社倉私議』の内容分析を進めつつ、たつの市立龍野歴史文化資料館所蔵の小西惟沖の著述や書簡等の読解を継続して、その実学思想を分析したうえで、竹山の政治思想と比較分析する。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)