Project/Area Number |
23K00164
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01060:History of arts-related
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
木水 千里 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, その他(招聘研究員) (90727091)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | タシスム / シュルレアリスム / 戦後フランス美術 / 20世紀美術史 / 戦後フランス / 抽象芸術 |
Outline of Research at the Start |
第二次大戦時中アメリカへ亡命したシュルレアリストが抽象表現主義の誕生を促し、芸術の中心地がフランスからアメリカに移行した。しかし、シュルレアリスムはフランスの抽象とも関係を持っていた。その創始者のブルトンは亡命先のアメリカで抽象表現主義とは距離を取っていた一方で、帰国後、同時代のフランスの抽象芸術運動、タシスムに接近した。そこで本研究はシュルレアリスムとタシスムに共通する芸術観を明らかにし、さらに当時の他のフランスの抽象芸術との一致点を見出す。それにより、形式主義的観点のもと抽象表現主義を頂点に位置づけたアメリカの進歩主義的美術史観とは異なる戦後フランスのモダニズム美術の射程の解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、戦後のシュルレアリスムとタシスムの関係に着目し、等閑視されてきた戦後フランスのモダニズム美術の射程の解明を目指すものである。本研究課題初年度にあたる令和5年度は、タシスムの創始者であるシャルル・エティエンヌの基礎研究に着手すべく国内で入手可能な資料を調査後に、夏期長期休暇を利用しパリで資料収集を行った。フランス国立図書館にて当時の新聞・雑誌を調査し、シャルル・エティエンヌが当時の芸術動向について執筆した記事を中心に調査・収集を行った。 また、40・50年代のフランスで展開された独自の美術史を多角的視点のもと考察するために、上記の資料収集とともにアンドレ・マルローの美術理論の解明を試みた。フランス人抽象芸術家ジャン・フォートリエを支持すると同時に、美術作品の複製写真を比較するという新しい芸術の鑑賞方法を提案したマルローの芸術理論を美術史の文脈に位置付け、本部をパリに置くユネスコのカラー複製プロジェクトとの繋がりを明らかにすることで、戦後のフランスに広がっていた美術史観の一端を明らかにした。この研究成果として、日本フランス語フランス文学会秋季大会ワークショップ、九州大学にて「想像の美術館の米仏美術史への再定位の試み-ユネスコ複製画プロジェクトからアド・ラインハートまで」を口頭にて発表した。 また本研究の前段階として30年代のシュルレアリスムと抽象芸術の関係について文脈化するために「1930年代の言説の錯綜からみる抽象としてのシュルレアリスム」を日仏美術学会会報にて論文として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パリでの資料収集に取り掛かることができた。また、研究成果の一端を口頭発表や論文の形で残すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
タシスムの創始者のシャルル・エティエンヌが新聞や雑誌に発表した記事はおおむね収集することができた。次に、その分析とともに、エティエンヌに関する一次資料を収集する。その成果を論文ないしは口頭で発表する。
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