Project/Area Number |
23K00376
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02030:English literature and literature in the English language-related
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
平沼 公子 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (90736612)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2027: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | アメリカ文学 / アフリカ系アメリカ文学 / 黒人文学 / 現代アメリカ文学 / 現代アフリカ系アメリカ文学 / アメリカ現代文学 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、1990年代以降のアフリカ系アメリカ文学のグローバルな流通と消費をめぐる問題を解明するものである。アフリカ系アメリカ文学の流通・消費の背景には、「黒さ」のエキゾチックさへの価値づけがあり、そこにはステレオタイプの助長という問題が常にある。この問題に、アフリカ系アメリカ人知識層がどのように応答したのかを探り、また21世紀的なアフリカ系アメリカ人表象のあり方を考えるのが本研究の目的である。
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Outline of Annual Research Achievements |
1.口頭発表「「いま」奴隷制を語ること-ゲイル・ジョーンズの作品における地勢の歪みと親密さの問題」黒人研究学会第69回年次大会 於・中京大学名古屋キャンパス(2023年6月)。本発表では、アフリカ系アメリカ人女性作家ゲイル・ジョーンズを中心に、現代において奴隷制を語る試みの意義を検討した。 2.口頭発表「親密さと暴力の地勢図 Gayl JonesのPalmaresにおける奴隷制と南米」日本アメリカ文学会第62回全国大会 於・札幌学院大学江別キャンパス(2023年10月)。本発表では、1.の口頭発表をさらに発展させ、特に2022年にピュリッツァー賞候補作となったPalmaresにおける奴隷制の描かれ方を分析し、南北アメリカ大陸の歴史を語りに含める語りの可能性を論じた。 3.論文「病を断つ バーバラ・ニーリィの「こぼれた塩」とアフリカ系アメリカ人家庭の病理化への抵抗」『アメリカ文学評論』第27号, pp.28-37. (2023年10月)。本論文では、アフリカ系アメリカ人女性ミステリー作家ニーリィの作品が、いかにアフリカ系アメリカ人シングルマザー家庭を病理化する言説へと抵抗しているかを、モイニハン報告という社会歴史的背景とともに論じた。
上記1.~3.は、研究代表者の他の研究課題18K12336の最終年度の業績と重複するものだが、本課題に取り組むなかで、研究課題18K12336において明らかとなったポスト公民権運動時代のアフリカ系アメリカ文学の特徴と課題が、今年度より開始した本課題のテーマであるポスト脱人種時代のアフリカ系アメリカ文学の在り方に深く関わっていることが明らかとなったため、双方の知見を活かして成果としてまとめたものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者は、2022年度までの研究調査において、冷戦期に形成されたアフリカ系アメリカ文学史および批評の精査を通して、文学作品における公民権運動期の表象について考察してきた。ポスト公民権運動世代を経て21世紀に興るポスト脱人種時代の作家作品の動向を探る上で、2022年度までの研究課題において蓄積した知見は不可欠であり、本研究課題はこの土台があったため比較的スムーズに初年度における研究調査を行えた。
しかし2023年度は時期等の問題があり海外における研究発表を行うことができず、その部分については当初の計画よりも遅れていると言わざるを得ない。学会発表については、引き続き2024年度にその機会を得るよう調整をしている。
以上のことより、本研究は概ね順調に進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度には、本研究の土台・基礎となる先行研究分析・考察ができたため、2024年度はこの結果をもとに、個別の作家作品の分析をし、その考察を包括的な形で論文や報告の形で発表する予定である。
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