Project/Area Number |
23K00395
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02030:English literature and literature in the English language-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秦 邦生 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (00459306)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | モダニズム / ユートピア / ディストピア / エコロジー / 絶滅 / 越境性 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、英語圏のディストピアという物語形式の形成と変容について、(a)モダニズムの文学・思想との関係性、(b)ユートピア的エコロジーの変容、(c)トランスナショナルなメディア文化という3つの軸から文学史的に再考するものである。21世紀初頭における「ディストピア」というジャンルの再興隆への認識を出発点として、その古典的傑作の多くが世に問われた20世紀前半の社会的・文化的環境を歴史的に振り返って再精査することで、この物語形式に内在する批評性、ならびにその変容可能性を系譜学的に理解することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究計画の一年目にあたる2023年度には、まずウィンダム・ルイスの作品に登場する動物の形象について研究をおこない、初期のルイスのテクノロジー万能主義的な美学が徐々に人間と動物の絶滅可能性についての憂慮へと変化するさまを考察した研究発表を2023年5月のオンライン国際学会において発表した。また、2022年度におこなったジョージ・オーウェルとビルマ/ミャンマーの森林破壊についての口頭発表は、シンポジウム記録として活字化することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度の春から夏にかけては20世紀初頭に日本を訪れた作家ウィリアム・プルーマーの小説に東西文明の葛藤と戦争の予感を読み込む研究をおこなったが、学術誌に投稿中である。また、2023年度の後半に、17世紀から20世紀にかけてのユートピア思想に含まれた環境思想をたどり、その延長線上にオルダス・ハックスリーのディストピア小説『すばらしい新世界』を置く研究をおこなったが、これは資料不足のためにまだまとまっていない。これと同時に現代イギリスの作家カズオ・イシグロのディストピア小説『わたしを離さないで』に関する論考も執筆したが、進行中の単著に含める予定である。これらはすべてまだ活字化された業績にはなっていないために「やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、いくつか同時並行ですすめている個別の作家・作品研究に順序をつけて、より多くのプライマリー・ソースを参照することで実のある議論としてまとめ上げることにしたい。まずはジョージ・オーウェルについて、20世紀前半の植民地における森林伐採の問題をより歴史的に掘り下げつつ、彼の政治意識と関連づけることで論考としてまとめる予定である。
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