Project/Area Number |
23K00410
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02030:English literature and literature in the English language-related
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
北村 紗衣 武蔵大学, 人文学部, 教授 (00733825)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2027: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 声 / パブリックスピーキング / ジェンダー / 演技 / 説教 / クエーカー / 舞台芸術史 / 近世イングランド / シェイクスピア |
Outline of Research at the Start |
本研究は近世イングランドにおける女性のパブリックスピーキングのあり方を検討するものである。イングランドにおいては17世紀後半、内戦や王政復古といった社会の変化に伴って女性が人前で話す機会が増大し、商業演劇の女優と女性説教師という全く異なるタイプの女性パブリックスピーカーが現れた。女優と女性説教師の登場はあまり関連づけられてこなかったが、本研究はこの潮流をひとつの大きな社会的な動きとして考え、こうした女性たちがどのようなやり方でパブリックスピーキングを身につけていたのか、またその話し方にはどのような特徴があったのかという問いを、資料の検討を通して明らかにしたい。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は近世イングランドにおける女性のパブリックスピーキングのあり方を検討するものである。5年間にわたる科研費プロジェクト研究の初年度であり、また2024年度がアイルランドのトリニティ・カレッジ・ダブリンでの在外研究の年であるため、2023年度はその準備としてもっぱら先行研究や刊行済みの一次史料を読む期間となった。 2024年の2月までは主に王政復古期の商業劇場にロンドンで初めて登場したプロの女優と、それより早くから活動をはじめていたクエーカーの女性に関する先行研究の検討を行った。2024年3月末にはロンドンに渡航し、2023年度末から2024年初めにまたがる期間で、クエーカー(フレンド派)に関連する資料をきわめて多く所蔵しているフレンズハウスの図書室でSwarthmore Manuscriptsや17世紀クエーカーの迫害に関する資料の調査を行った。専門の司書と相談して多くの資料提供を受け、Valiant Sixtyと呼ばれる初期クエーカーの活動家に含まれる女性を中心に、こうした人々がどのような説教活動をしていたかに関する知見が得られた。 この他、近世ブリテン諸島とジェンダーに関する著作のみならず、声に関する一般的な先行研究や、近世の新宗派一般とジェンダーに関する先行研究なども検討した。声のカリスマ性一般に関する研究は今後の調査でも念頭に置いておく必要がある。こうした準備をもとに2024年度のダブリンの在外研究期間にさらなる調査を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
全体的にプロジェクトの研究はやや遅れていると判断している。2023年度はもっぱらプロの女優やクエーカーの女性説教師に関する先行研究や刊行済みの一次史料の検討を行っていたが、この検討に想定以上の時間がかかってしまい、バプテストなど他宗派の女性説教師に関する資料検討があまりすすまなかった。さらに、これまで研究していたのが舞台芸術であるため、キリスト教の当時の新宗派について全般的な理解を深める必要があり、このプロセスに時間がかかっている。この点については2024年度の在外研究で遅れを取り戻したいと考えている。 また、校務や新型コロナウイルス感染症などの影響で2023年度の最後になるまで海外文書館での調査が行えなかった。これについても在外研究期間にすすめる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度はダブリンで在外研究を行うことになっており、所属するトリニティ・カレッジ・ダブリンでの研究の他、アイルランド国立図書館やThe Historical Library of Ireland Yearly Meeting of the Religious Society of Friendsなどで調査をする予定である。5月から6月にかけてはスコットランドのセントアンドルーズ大学で開催されるHistory of Women Religious of Britain and IrelandによるMateriality & Technology学会に参加する他、ロンドンのフレンズハウス図書室で再度調査を行う予定である。
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