Project/Area Number |
23K00502
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02060:Linguistics-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鈴木 慎吾 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 准教授 (20513360)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 中国語上古音 / 諧声系列 / 押韻 / 中国語学 / 音韻史 / 上古音 |
Outline of Research at the Start |
中国語音韻史の中心課題の一つである、いわゆる上古音は、その後の時代に比べ資料が断片的かつ膨大であることもあって、従来様々な仮説が立てられてきた。しかし、議論が多岐にわたるため、その全体像を理解することはもちろん、個別の推定音価からその根拠を想起することすら、それなりに訓練を積んだ者であってもなかなか困難で、そのことが研究の大きな妨げになっている現状がある。本課題はとくに上古音の学術史を整理し、研究基盤を構築することを目的とする。今回は特に、①諸家の諧声系列、②諸家の上古推定音、③対音・非漢語資料および出土資料の整理を行い、それらを④構築済の上古・中古音データベース群と接続することに注力する。
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Outline of Annual Research Achievements |
今回の課題の目的は、前回科研に引き続き上古音研究の各種資料を整理することで、新たな研究のための基本インフラを構築することにある。具体的には以下の項目の実現を目指している。①諧声系列データベースの構築、②上古推定音データベースの構築、③対音・非漢語資料、出土資料データベースの構築。これらを相互に結びつけ、さらに構築済の中古音データベース群と連携させて、ウェブブラウザで分かりやすく検索・表示できるサイトを構築する。 今年度(2023年度)は主に①諧声系列データベースの構築を行う予定であったが、検討の結果、②上古推定音データベースの構築を先に進めた方がよかろうということで今年度はそちらに注力した。その成果として、Axel Schuessler 氏の Minimal Old Chinese (OCM) と 後漢音 (LHan) の入力がほぼ終了し、現在最終チェックを行っている。現在は鄭張尚芳等、他の推定音との関連づけを行いつつ、検索システムの構築などについて鋭意検討中である。 また、上古音より前に、前回科研で残した押韻資料の整理を先に行うべきだということになり、そちらも平行して作業を行った。現在、于安瀾氏の押韻解釈について、六朝の前半がまもなく完成するところまで進捗している。これまでの成果は、すでに構築済の周祖謨氏のデータと共に「諸家先秦兩漢魏晉南北朝韻譜韻讀」と名付けたサイトで公開している。https://suzukish.sakura.ne.jp/search/xianqin/index.php
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1) 諧声系列データベースの構築:計画通り 2) 上古推定音データベースの構築:計画通り 1) の諧声系列データベースについては、現在、データのフォーマットに関する検討を行っている。とくに諧声符が親子関係になっている場合の表現について、サンプルデータを作成し、よりよいコード化の方法を探っている。 2) の上古推定音データベースについては、Axel Schuessler 氏の OCM と LHan の入力がほぼ終了し、すでに構築済の廣韻データとのリンクもほぼ完成している。
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Strategy for Future Research Activity |
全体的に順調に進捗しているので、次年度は当初の予定通り、1) 諧声系列データベースの構築についてはデータフォーマットを確定させ、実際にデータ入力の作業に着手する。2) 上古推定音データベースの構築については Schuessler の音価がほぼ終了したので、Karlgren、鄭張尚芳のデータとのリンク作成に着手する。またこれまで通り、データの構築と平行して検索システムの改良を随時行う。
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