Project/Area Number |
23K00508
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02060:Linguistics-related
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
内田 信也 国際医療福祉大学, 成田保健医療学部, 教授 (90527011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永山 正雄 国際医療福祉大学, 大学病院, 教授 (80208058)
Pijanowska Marta 国際医療福祉大学, 総合教育センター, 助教 (70909671)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | 失語症 / 脳損傷部位 / 画像統計解析 / 喚語 / 脳内ネットワーク |
Outline of Research at the Start |
脳損傷後の言語障害である失語症では、心的辞書から適切な語を想起(回収)する過程である“喚語”の障害が生じるため、失語症者は意思表出に困難を有し、生活の質(QOL)を大きく損ねる。喚語障害は様々な脳部位の損傷によって生じることより、喚語には複数の脳部位が関与していると考えられる。本研究は、喚語が複数の脳部位によって構成されるネットワークによって担われると想定し、失語症者の脳損傷部位と喚語障害の様相を分析することにより、喚語に関わる脳内ネットワークを明らかにすることを目的とする。喚語に関わる脳内ネットワークが明らかになることは、失語症に対する言語聴覚療法に寄与すると考えられる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題実施に向けたデータ収集を進めるため、研究実施施設において研究倫理審査申請を行い、承認を得た。その後、研究実施施設において後方視的にデータ収集を行い、40名強のデータを得た。臨床情報を精査し、取込基準・除外基準に基づきデータ分析対象者の選定を進めた。 本研究では脳画像の画像統計解析が必要とされ、これには専用のソフトウェアならびに、当該ソフトウェアを動作させるに十分なスペックのPCが必要とされる。2023年度研究費において、画像統計解析用PCを購入し、画像統計解析を実施する環境と整備した。そして、研究実施施設で収集した脳画像データに基づき、本研究課題における画像統計解析の第一段階である、脳損傷部位のトレース作業の実施に着手した。この作業は、様々な方法が提案されており、それらを比較検討し、本研究課題において実際に使用する方法を決定した。 本研究では、画像統計処理を実施するにあたり、言語・認知機能検査結果を独立変数ならびに共変量として設定することを計画している。そのため、研究実施施設において後方視的に得た言語・認知機能検査結果の整理を進めた。その際、備品として購入した語彙データベースを利用した。 本研究課題実施の一環として、失語症者に認められる言語性短期記憶障害について検討を実施し、その成果を、2023年9月開催の第47回日本神経心理学会学術総会において発表し(中山拓弥・内田信也ら、超皮質性運動失語一例における系列順序再生の障害特徴、2023年9月、高知)、関連する研究者と意見交換を行った。また、関連学会参加の調査旅行も行い、研究実施に向けた知見を獲得した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施にあたり研究倫理審査申請を行い、承認を得た上で、研究実施施設において後方視的にデータ収集を進めることができた。本研究課題では、対象となる失語症者の脳画像データと言語・認知機能検査データが重要となるが、これらについて40名強のデータを収集することができた。 本研究課題実施にあたっては脳損傷部位に基づく画像統計解析が枢要な過程となる。画像統計解析は計算量が多いため、相応のスペックを有するPCが必要とされ、それに資するPCを備品として整備し、同時に、研究実施に必要とされる脳画像統計解析ソフトウェアを整備した。 画像統計解析のスタートとなるのは脳損傷部位のトレースといった前処理作業である。これには幾つかの方法が提案されており、その検討に時間を要したが、現実的に実行可能な方法について決定することができた。当初計画においては、人件費・謝金を用いて、前処理作業を効率的に進めることを予定しており、これを達成することが出来ていない状況ではあるものの、画像統計前処理の方法を確定することが出来たことは大きな進展である。 本研究課題の一環として、失語症者の言語性短期記憶障害についての検討を行い、学術集会において成果を公表し、関連する研究者と意見交換をすることが出来た。また、調査旅行として国内の学術集会に参加し、本研究課題実施に向けた知見を向上することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
既に得られたデータについて、脳損傷部位のトレース作業などの画像統計解析の前処理を進める。この際には、2023年度予算の次年度使用額として人件費・謝金を利用し、効率的に実施することを予定する。同時に、臨床データを精査し、取込・除外基準に従って、画像統計解析の対象となる失語症者を確定する。 その後、画像統計解析を実施し、研究の方法が適切であるかどうかについての確認を行う。画像統計解析により、適切かつ新規性のある結果が得られた場合には、国内外の学術集会において成果を公表し、関連する研究者と議論を行う。 さらに、研究実施施設において新規のデータが収集された場合には、定期的にデータ収集を行い、さらなる対象者数の積み上げを行う。
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