Project/Area Number |
23K00549
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02070:Japanese linguistics-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
竹村 亜紀子 神戸大学, 人文学研究科, 人文学研究科研究員 (50597309)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2025: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 外来語 / 英語 / フランス語 / 仏語 / 借用語 |
Outline of Research at the Start |
外国語の単語を日本語に取り込む際の仕組みには、原語の音に基づいて取り込んでいるという説、あるいは形に基づいて取り込んでいるという説が挙げられてきたが、未だに分かっていない点が多い。本研究では、この両者の説を検証するために、英・仏語を使った知覚実験を行なって取り込み方が同じかどうかを調べる。具体的には、形が同じでも、発音する言語が異なると日本語に取り込む際に促音(ッ)、長音(-)の出現が異なるのかどうかを調べる。これにより日本語が原語の音を忠実に取り込むという説明が有利に働くかどうかを実証的に確認することができる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は英・仏語を用いて知覚実験を行い、日本語母語話者がどのように外国語を取り込むのか、そのメカニズムを捉え、日本語の音の特性を明らかにすることである。外国語の単語を日本語に取り込む際、日本語母語話者が原語の音に基づいて取り込んでいるのか、あるいは形に基づいて取り込んでいるのかは未解明の部分である。そのため語の形は同じでも言語(音)を異にした場合の観点からの検証が必要である。そこで本研究では(1)英語およびフランス語(仏語)由来の外来語の日本語への取り込み方を整理し、(2)英・仏語を用いた知覚実験を通して日本語への借用メカニズムを捉え、日本語の音に関するの特性を明らかにすることを目的とする。具体的には、日本語の外来語に現れる促音(ッ)、長音(-)が英・仏語を使った知覚実験で取り込み方が同じかどうかを調べる。これにより日本語が原語の音を忠実に取り込むという説明が有利に働くかどうかを実証的に確認することが可能となる。 本研究課題の初年度は実態調査による促音・長音の出現環境の整理することであった。これまで日本国語大辞典から英・仏語由来の外来語を取り出し、促音(ッ)の出現環境を整理した。その結果、外来語の語末に位置する子音が /p/、 /t/、 /k/ の場合、英語由来でも仏語由来の外来語でも他の子音に比べて、促音挿入が多いことが明らかになった。しかし、仏語は英語ほど促音挿入が多くない点が挙げられる。また、上記の子音は無声子音であったが、上記の有声子音 /b/、 /d/、 /g/ の場合、仏語由来の語では促音挿入がほぼないことが明らかになった。つまり、英語由来の語に比べると、仏語由来の語は促音挿入が入りにくいことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度の外来語の実態調査は特に促音の出現に焦点を絞って調査を行った。その結果、英語由来の語と仏語由来の語で、促音挿入の割合に違いがあることが明らかになった。 しかしながら、当初の予定であった(1)長音の出現についての実態調査、(2)知覚実験のための無意味語(刺激語)の作成が行われていないため、今後よりスピード感を持って取り組みたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点で遅れが生じている、(1)長音の出現についての実態調査、(2)知覚実験のための無意味語(刺激語)の作成を急ぐと共に、無意味語の音声録音の協力者、実験参加者を募りたいと考えている。 また、上記とは別に、新たにブートストラップ法を用いて、英語由来と仏語由来の外来語に現れる促音挿入の分布を推定したいと考えている。現時点では、データセットが一つしかないが、この方法を用いることで擬似データセットを作り出し、それらのデータセットの中で促音挿入の分布が実態と同じかどうかを確かめたいと考えている。
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