Investigation on sentential inference bridging between lexical/grammatical knowledge and text comprehension
Project/Area Number |
23K00628
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02090:Japanese language education-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
玉岡 賀津雄 名古屋大学, 人文学研究科, 名誉教授 (70227263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 信浩 創価大学, 文学部, 教授 (20600125)
張 セイイ 宮崎大学, 国際連携機構, 講師 (60791332)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 文間推論能力 / テキストの理解 / 語彙知識 / 文法知識 / 構造方程式モデリング / 因果関係 / 文間推論 / テキスト理解 |
Outline of Research at the Start |
文レベルの理解を基本として,文と文の間の意味的な関係を連続して理解していくことで,テキスト全体の意図を理解することができると仮定した。そこで,語彙・文法知識とテキスト理解を仲介すると仮定される文間推論能力の役割を明らかすることにした。文間推論を構成する下位諸能力を測定するためのテスト問題を作成して,語彙知識,文法知識,テキスト理解(聴解と読解)のテストと共に外国人日本語学習者に実施する。構造方程式モデリングの手法で,語彙・文法知識とテキスト理解を仲介する文間推論能力の因果関係モデルを検証する。実証されたモデルに基づいて,文間推論能力を養成する外国人日本語学習者のための教材と教授法を提案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
語彙を文法的なルールに従って配置することで文が完成する。しかし、語彙と文法の知識で文を作るレベルで意味内容を理解したとしても、次の文との連続的な意味関係を理解できなければ、複数の文の連続で構成されるテキスト全体の意味内容を把握することはできない。本科研では、語彙と文法の知識からテキスト理解を促進する仲介的な能力として、文間推論能力を想定した。2023年度は、文間推論能力を因果関係、指示詞、間接発話の3つに絞って考察した。語彙知識と文法知識を基にして,文間推論能力を介して,聴解および読解のテキスト理解が促進されるとする「逐次モデル」と語彙および文法知識も文間推論と同時にテキスト理解に貢献するとする「並列モデル」を想定した。そして,中国の大学で日本語を専攻する281名の被験者を使って構造方程式モデル(SEM, Structural Equation Modelling)で検討した。その結果,文間推論能力が語彙知識を基に作られた文の連続を意味的に連結して、テキストの理解を促進するという「逐次モデル」の因果関係の存在を実証した。この研究は、Tamaoka, Katsuo, Hiromu Sakai, Yayoi Miyaoka, Hajime Ono, Michiko Fukuda, Yu Xin Wu & Rinus Verdonschot (2023). Sentential inference bridging between lexical/grammatical knowledge and text comprehension among native Chinese speakers learning Japanese. PLOS ONE, 18(4): e0284331. DOI: 10.1371/journal.pone.0284331に掲載された。PLOS ONEは、インパクトファクターが3.75の非常に学術レベルの高い国際的な学術誌である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2023年度は,日本語の文間推論を,因果関係,指示詞,間接発話の3つの領域に限定してテスト問題を作成して,文間推論の役割を考察した。まず,その際,語彙知識が文間推論を介してテキスト理解に影響するという逐次的因果関係が示された。文法知識の影響はほとんどなかった。本研究は,PLOS ONEという国際誌に掲載された。この研究によって,文間推論の研究が大きく進展した。今年度の科研に直接関係した論文がこのようなレベルの高い学術誌に掲載されたことは非常に大きな成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の研究では,日本語の文間推論を因果関係,指示詞,間接発話の3つの領域に絞って研究した。しかし,文間推論の能力には,語用的・意味的な推論をどう含むかという問題が残されている。今後は,さらに文間推論の能力を構成する下位諸能力が何かをより詳細に検証する課題に取り組まなくてはならない。まず,今後の研究方針として,テキストの理解(読解と聴解)において,接続助詞を中心とした文間の因果関係を把握する能力の重要性を検証していきたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)