Project/Area Number |
23K00762
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02100:Foreign language education-related
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Research Institution | Osaka Seikei University |
Principal Investigator |
伊藤 由紀子 大阪成蹊大学, 経営学部, 准教授 (20804826)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | CLIL / 日本の伝統文化・伝統工芸 / 文字指導 / 教員研修プログラム / 教材開発 / 海外の学校 / 文化の発信 / 教科横断型 / グローバル社会 / 外国語教育 |
Outline of Research at the Start |
不安定な世界情勢の中、これからの社会を生き抜いていくためには自国に誇りを持って地球上の様々な文化を持つ人々と協働する力が必要になる。本研究では日本の伝統文化・伝統工芸を英語で学ぶCLILを通して、自国文化を発信できる英語力と自信を身に付け、グローバル社会の一員となる子どもを育成する。日本語や日本文化を学ぶコースを持つ外国の学校と連携し子どもが日本について発信し、外国の文化も学ぶ「ディスカッションプログラム」を実施する。学校現場では教員がCLILに取り組めるよう定期的な研修プログラムでサポートを行う。そしてCLIL指導だけでなく音声・文字指導など英語教育に必要な指導スキルについての研修を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究のテーマは、日本の伝統文化を外国に発信する力の育成を重視したCLIL授業を実践することおよび教員研修プログラムを構築することである。研究の目的は以下のとおりである。 ① 小・中学校において、各教科を連携しながら日本の伝統文化を扱うCLIL授業を行い、英語力とともに児童生徒の自国の文化に対する意識を高めること。② 日本について学ぶコースを持つ外国の学校と連携し、児童生徒が伝統文化や伝統工芸を外国に発信する取組みを行い、発信とともに外国の文化にも触れる相互学習を目指すこと。③ 現場の教員研修プログラムを構築し、往還型でCLIL指導についてのサポートを行い、自信を持って英語指導に臨める教員養成に貢献すること。④ 研究成果を学会で発表するとともに全国の教員が活用できるようにHP等で公開・配信すること。 また、本研究の学術的独自性と創造性は以下の3点である。①外国の学校と連携して児童生徒が伝統文化や伝統工芸を外国に発信する取り組みを行い、外国の文化にも触れる相互学習は、取組み事例がほとんどない。新型コロナ禍でオンライン環境が整ったことで、公立の小・中学校でもそれが可能となった。②英語科は他のどの教科とも連携できるという特長がある。これまで、グローバル教育とCLILとをベースに、公立小・中学校で実践されてこなかった日本の伝統文化の継承と発展を目指す体験型の授業を継続してきており、本研究ではそれを発展させる。③英語教育改革に不安を感じる教員に、新しい形の授業を提案することは重要で意義があると考える。CLIL指導は教科書に取り入れられているが、内容と言語を同時に指導することは容易ではなく、丁寧な研修が欠かせない。本研究は今後の英語教育改革を見据えた、学術的独自性と創造性を兼ね備えた萌芽的研究である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の進捗状況としては、おおむね順調に進んでいる。2023年度は国内の複数の公立小学校、中学校を訪問し、外国語科の授業見学や作成したICT教材の使用状況の確認等を行った。また、公立中学校において、伝統工芸のCLIL授業を実践することができた。現在は得られたデータを整理しており、その一部について、2024年度に学会発表、論文発表を計画している。 海外との文化交流について、今年度は本科研費の旅費による海外訪問は実施していないが、自身の研究の流れの中で、伝統文化・伝統工芸関連の現地訪問としてスペインのタイル工芸の調査を行うことができた。加えて、国内の伝統工芸に関しては、東北地方、九州、北海道の様々な工芸品を調査し、伝統工芸士に話を聞くことができた。それらを今後の授業実践に活かしていく。 次に、CLILに取り組む教員の研修会に関しては、2023年度に複数回実施、参加することができた。日本CLIL教育学会関西支部の研究会においては運営委員長として企画、開催した。次年度も引き続きCLIL教員へのサポートを継続していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、2年目にあたる2024年度も、授業実践を中心に研究を進めていく。国内の伝統文化・伝統工芸の調査も引き続き継続し、そこで、教室での題材として使えるような伝統工芸品を検討する。そして、これまでの実践と比較して、より準備が手軽かつ効果的な授業づくりを目指していく。 また、授業実践を引き続き行っていくとともに、海外との文化交流も進めていく。8月には、ニュージーランド(ハミルトン、オークランド)の学校を訪問する予定である。今年度はそれに向けて、日本の国公立高等学校の生徒らと、伝統工芸品の紹介プレゼンテーションのDVDの作成プロジェクトを実施している。現在は発表する伝統工芸品の検討、パワーポイントの作成を行っているところである。 また、6月に日本実践英語音声学会の年次大会について、関西支部評議員として勤務する大学で開催するため、運営に関わる予定である。11月には日本CLIL教育学会の全国大会において、イタリアから講師を招聘して講演会を運営する。全国大会は関西で行うことが決定しており、運営委員長として活動する予定である。その他、複数の学会発表、論文発表を行う予定である。 さらに、CLILに取り組む教員の研修会に関して、今年度も引き続きCLIL教員への勉強会の開催および授業・計画におけるサポートを継続していく予定である。
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