「表状牋啓書儀」の受容と日本の古代文書-東アジア古文書学の構築に向けて-
Project/Area Number |
23K00845
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03020:Japanese history-related
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
丸山 裕美子 愛知県立大学, 日本文化学部, 教授 (00315863)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 日本古代史 / 古文書学 / 書儀 / 敦煌写本 / 正倉院文書 / 唐代史 / 中国中世史 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、日本の古代国家・社会における「表状牋啓書儀」の受容の実態を明らかにし、日本の古代文書の全体像を解明して、東アジア古文書学の構築を目指すものである。 日本の古代文書は、公式令に規定された「公式様文書」を中心に考えられてきた。しかし、日本においても中国・唐においても、公式令の文書は公文書の一部に過ぎず、背後には「書儀」による書状形式の公文書が存在した。中国の研究者によって、「表状牋啓書儀」(敦煌写本)に分類された書状形式の公文書の書式を分析し、それが日本の古代文書の成立にどのような影響に与えたのかを考察する。その上で、日本中世の書状様式の公文書が成立する過程を見通したい。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本における「表状牋啓書儀」の受容を明らかにし、日本の古代文書の全体像を解明して、東アジア古文書学を構築することを目指すものである。日本の古代律令制国家は、徹底した文書行政を特徴とし、その文書は、公式令に規定された文書様式によると考えられてきた。しかし、公式令に規定する文書は、古代文書の一部にすぎない。背後には、中国の「書儀」や文集による文書の世界が広範に存在したのである。この点については、すでに指摘してきたところであるが、その際には、書儀のなかでも、「朋友書儀」「月儀帖」や「吉凶書儀」による直接的な影響を検討してきた。 本研究では、これまで本格的な研究がほとんどなされてこなかった敦煌写本の「表状牋啓書儀」を分析し、それが日本古代の文書にどのような影響を与えたのかを明らかにすることを目指している。 2023年度は、最も多くの「表状牋啓書儀」を所蔵しているフランス国立図書館において、調査を行った。P.4093、P.3723、P.3451、P.4092、P.3449、P.3864など、ペリオ将来の「表状牋啓書儀」に分類される全ての敦煌写本を閲覧調査することができた。いずれもすでに中国で活字化され、Gallicaで鮮明なカラー画像が公開もされ、中国の研究者による研究も一通り行われているが、やはり実物を調査することによって得られる知見は大きい。これまで「表状牋啓書儀」のうち、注目されてきたのは『甘棠集』(P.4093)であったが、実見調査の結果、「記室備要」(P.3723、P.3451)を分析することの必要性を感じた。その成果は次年度中に発表したいと考えている。 また、2024年3月には、国際会議「敦煌・吐魯番研究の最前線―その伝統と革新―」において、これまでの書儀研究をまとめた「敦煌写本書儀と唐日律令研究」を報告することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年9月には、フランス・パリの国立図書館リシュリュー館に所蔵される敦煌写本「表状牋啓書儀」を一通り、熟覧・調査することができた。その上で、研究の方向性が定まったことは順調に計画が進展していると評価できよう。 またちょうど東洋文庫創立100周年記念第11回総合アジア圏域研究国際シンポジウムにおいて、講演の機会を与えられたことは、自身のこれまでの敦煌写本研究をまとめる上で僥倖であったと思う。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、フランス国立図書館での調査を実施したが、2024年度は大英図書館での調査を予定している。大英図書館には、スタイン将来の敦煌写本が所蔵されており、「表状牋啓書儀」としては、S.588、8S.5623が知られ、とくに前者は「記室備要」とされる写本である。これを熟覧調査したいと考えている。その上で、「記室備要」の分析と、その敦煌・吐魯番文書や日本の古代文書との関係を考察する。 諸般の事情でイギリスでの調査がかなわない場合には、すでに公刊されている活字史料やデジタル画像による分析を行う。 2024年度には、中国で2つの学会―中国古文書学会と浙江大学での国際会議―に参加する予定であり、それにあわせて、中国社会科学院古代史研究所、中国政法大学、敦煌研究院にも声をかけていただいているので、そうした機会に、書儀研究や古文書研究の成果をまとめて発表し、また敦煌写本を実見し、敦煌写本書儀の研究者と交流して意見交換を行うことを考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)