Project/Area Number |
23K00849
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03020:Japanese history-related
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
佐藤 雄介 学習院大学, 文学部, 准教授 (20624307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村 和明 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (70563534)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 日本近世史 / 天皇 / 朝廷 / 財政 / 幕府 / 名目金 / 朝幕関係 / 公家 / 江戸時代 |
Outline of Research at the Start |
これまで別個に考えられてきた禁裏御所を始めとした御所の財政と堂上公家の財政とを統合的に研究する。近世の天皇・朝廷に関する研究は、近年飛躍的に進展したが、その存在を根底のところで規定していた財政についての研究は、蓄積が薄い。御所の財政に関する研究は、代表者らによっていくらか進んだが、いまだ不明な点も多い。後者については、さらに不足している。 本研究では、それぞれの研究の深化を図ったうえで、両者を統合的に理解することを目指す。天皇・朝廷という集団は、天皇家とその一族だけではなく、堂上公家なども含めて構成されるものであり、両者の財政に関しても、別個にではなく、統合的に考える必要があるからである。
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Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、以下のような成果を得た。 ①「幕末の朝廷は、経済的に自立できていたのか?」(町田明広編『幕末維新史への招待』山川出版社、2023年)、②「一九世紀前半の天皇・朝廷と幕府」(荒木裕行・小野将編『日本近世を見通す3 体制危機の到来』吉川弘文館、2024年)、③「朝幕財政論」(上野大輔ら編『日本近世史入門』勉誠社、2024年) ①ではまず、幕末以前の天皇・朝廷の財政状況などを概観した。その後、幕末において、天皇・朝廷が経済的に自立していたのかを叙述した。②は、いわゆる大御所時代からペリー来航前まで、すなわち1810年代後半から1850年頃までを対象としている。当該期の朝幕関係・公家社会の特徴とその変遷を、朝廷財政や公家による金融の問題などから、ひろく論じた(鷹司政通を研究する意義などについてもふれた)。③は、幕府財政・朝廷財政の概要や両者の関係、それぞれの研究史、今後の課題などを詳述した。 分担研究者の村和明は、(1)前掲『日本近世史入門』で「近世の天皇・朝廷」を執筆し、天皇・朝廷研究全体の研究史や今後の課題などを詳述した。また、(2)牧原成征・村和明編『日本近世史を見通す1 列島の平和と統合』(吉川弘文館、2023年)では、「近世朝廷と統一政権」を書いた。朝廷の財政基盤のうち最も基本となる、幕府から設定される領地について分析し、個人・家に対する設定から、機構としての朝廷を支えた諸役職に対する設定への進展は通説より早く、女官について先んじて成立していたことを明らかにした。さらに(3)村和明・吉村雅美編『日本近世史を見通す2 伝統と改革の時代』(吉川弘文館、2024年)では、「将軍専制と社会」を執筆した。将軍綱吉の前後を画期とする朝廷の変質について概観するとともに、権力との関係で利益を得ようとする大商人たちの動向を、当該期の幕府の権力構造が、いかに規定していたかを論じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
上述したように、本研究課題においては、史料の調査、複製の収集が重要となる。この点に関しては、諸所に調査に赴き、多くの関係史料の複製を得られた。また、関係する研究書や史料集に関してもあらためて調査し、そのうちの多くを購入することができた。 上記①~③の成果は、そうした複製史料や史料集などを素材として執筆したものである。充分な成果を挙げることができたのではないかと考えている。もちろん、①~③以外にも関係する論文などを執筆中である。 なお、分担研究者の村和明氏も順調に史料調査などを行い、複数の学術的成果を挙げてくれた。
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Strategy for Future Research Activity |
順調に進展しているため、引き続き関係史料の調査、複製の収集を行っていく。具体的には、京都市歴史資料館、京都府立京都学・歴彩館、慶応義塾大学図書館、東京大学史料編纂所、宮内庁書陵部・公文書館、国文学研究資料館、国立公文書館などにできる限り赴きたい。 また、関係する研究書や史料集についても未購入のものがあるため、予算と相談しながら、ひきつづき購入していきたい。 それらに基づいて現在構想中のものも含めて、論文などを執筆していくつもりである。なお、研究史的にみても、御所財政より公家財政の研究が遅れているため、可能であればそちらを優先して検討を深めたい。村和明氏にも引き続き分担研究者をお願いする予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)