Project/Area Number |
23K00909
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03040:History of Europe and America-related
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
廣田 秀孝 早稲田大学, 高等研究所, その他(招聘研究員) (20834021)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 米国史 / 移民 / アメリカ史 / 移民研究 / 日系移民 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、20世紀転換期の米国において、日本人に対して実施された移民制限を考察することで、米国移民政策史研究に新たな視点を加えるものである。具体的には、日本人に対する一般移民法の施行の分析を通して、①人種偏見が連邦移民政策に組み込まれる過程と、②本来国内で施行されるべき米国の移民法が、外国において施行され、「望ましくない」移民の米国に向けての出発を抑止する機能を有するに至る過程を考察する。それにより、日本人の入国を制限するための諸政策が連邦移民政策全体の発展に重大な影響を与えたことを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、20世紀転換期のアメリカ合衆国(以下米国)において、日本人に対して実施された移民制限を考察することで、米国移民政策史研究に新たな視点を加えるものである。同時期に関する従来の研究の多くが、中国人の入国を禁止した中華排斥法か、日本政府が日本人の渡米規制を行うことを定めた日米間の外交協約に着目してきた。本研究は、中国人以外の全移民を対象とした一般移民法に光をあて、米国政府が外交協約だけではなく、国内法によっても日本人の入国を制限していたことに着目する。具体的には、日本人に対する一般移民法の施行の分析を通して、①人種偏見が連邦移民政策に組み込まれる過程と、②本来国内で施行されるべき米国の移民法が、外国において施行され、「望ましくない」移民の米国に向けての出発を抑止する機能を有するに至る過程を考察する。それにより、日本人の入国を制限するための諸政策が連邦移民政策全体の発展に重大な影響を与えたことを明らかにする。初年度は、二次文献の収集と分析が研究活動の中心となった。米国移民史と日系移民史の領域の書籍、論文を収集し、分析することを通じて、上記の2つの過程を考察する上で必要な歴史的背景や客観的事実を整理して把握した。また、その一方で、米国における歴史研究者にとって最も重要な学会であるAmerican Historical Associationの年次大会の報告をはじめとして、精力的に研究成果の発信に努めた。また、米国史における主要なジャーナルであるJournal of the Civil War Eraの特集号Transpacific Connectionsの編集者を務め、研究成果の一部を特集号のイントロダクションとして出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は勤務校に着任して2年目ということもあり、多くの時間を研究環境の整備や、新たな授業準備、校務を覚える作業に費やすことになった。そのため、当初予定していたよりも研究に割ける時間が減ってしまったが、そうした状況の中でも二次文献を着実に収集し、積極的に学会で研究成果の一部を報告することができた。また、研究成果の一部をJournal of the Civil War Eraの特集号のイントロダクションとして出版した。以上の状況をふまえた上で、当初の予定を上回るペースで進んでいるとは言えないまでも、研究全体としては着実に前進したと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き二次文献の収集と分析を進め、初年度に収集した史料の分析に取り組む。スタンフォード大学、カリフォルニア大学ロサンゼルス校、ワシントン大学図書館に所蔵されている日系移民に関する一次史料を収集する。また、日本の外交史料館に所蔵されている、明治期の日系移民に関する日本語史料を収集する。史料調査を進める一方で、研究成果を論文としてまとめる作業と、国際学会での研究成果報告を継続して行う予定である。
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