Project/Area Number |
23K00933
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03050:Archaeology-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
辻田 淳一郎 九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (50372751)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 考古学 / 古墳時代後期・終末期 / 横穴式石室 / 三次元計測 / 北部九州 / 古代国家形成 |
Outline of Research at the Start |
本研究は,6・7世紀の古代国家形成期における地域社会および古代行政単位成立過程の実態解明のため,各地の前方後円墳・群集墳などで築造された横穴式石室・そこから出土した副葬品・また古墳の立地と官道・官衙・寺院などとの関係を主な素材として考古学的な検討を行う。三次元計測の方法を用いた横穴式石室の系譜・階層性の検討を主軸として据え,西海道諸国の古代行政単位成立の前史という観点から,地域社会の実態を考古学的方法により実証的に明らかにすることを課題とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,大きく以下の3点を具体的な検討課題としている。A)九州各県の6・7世紀の横穴式石室の三次元計測と,横穴式石室の系譜・階層性の検討,B)各地の大型横穴式石室/巨石墳と官道・官衙・寺院立地との関係の悉皆的な検討,C)上記のA・B を統合しつつ,古代国家形成過程における6・7世紀史の意義を説明する。
2023年度は,研究期間の開始年度ということもあり,研究代表者自身がこれまで行ってきた調査成果の整理と,今後に向けた方針の策定を行った。具体的には,本研究期間中に三次元計測を行う資料のリスト化と,それにもとづく地域社会のあり方の検討に向けた学史的検討を行った。また福岡県内の横穴式石室について,4月から7月にかけて,集中して撮影を行った。あわせて,ワークステーションやMetashapeの購入を行い,これから4年間の調査期間に向けた整備を行った。夏期から冬期にかけては,これまで撮影してきたデータの整理と報告書資料などをもとに,北部九州の古墳時代後期における横穴式石室の基準尺度に関する検討を行い,論文としてまとめた。
また研究代表者がこれまでフィールド調査を行っている福岡県・遠賀川上流域(嘉穂盆地)における,古墳築造動向の整理と前方後円墳の築造停止に関する北部九州各地との比較を行い,またミヤケ設置との関係などについても具体的な検討を行った。それを通じて,古墳時代後期・終末期における地域社会の実態について,古墳築造動向および被葬者の変遷との関係において説明する方向性を示した。次年度以降もこうした方針をさらに発展させたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の研究実績の概要でも述べた本研究の目的のA)・C)に関して概ね順調に検討を進めつつある。横穴式石室の三次元計測自体は,これまで福岡県のものを中心に進めているが,それらのデータを整理して分析する作業の比重を高めつつある。B)に関しても2024年度以降検討を進めたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は,福岡県内外の横穴式石室について,継続して撮影・三次元計測を実施しながら,夏期・秋期を中心にデータの整理・分析を行う。特に年度後半の冬期から春期にかけて,福岡県外の横穴式石室の計測を順次進めていく予定である。また,上記の研究実績の概要でも述べたような,古墳時代後期・終末期の地域社会と時代背景に関する検討を進めつつあり,その中で横穴式石室の築造とその意義についても検討を深めたいと考えている。
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