Project/Area Number |
23K00938
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03050:Archaeology-related
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Research Institution | Hokkaido Museum |
Principal Investigator |
亀丸 由紀子 北海道博物館, 研究部, 学芸員 (30823934)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2026: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | アイヌ / 装身具 / 民具 / 物質文化 / 交易品 / 博物館 / 耳飾り / 首飾り / アイヌ民具 / 移入品 / 考古学 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、国内の博物館等施設が所蔵するアイヌ民族の物質文化資料のうち、交易などによって入手した移入品である耳飾り、首飾りの2種類の装身具を対象に品目ごとの悉皆的な調査を実施し、代表者がこれまでに習得した考古学的型式分類の手法を用いた分析を行うことで、これまで困難とされてきた、アイヌ民族の移入品装身具資料の地域的特徴や歴史的変遷について論じる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、国内の博物館等施設が所蔵するアイヌ民族の物質文化資料のうち、交易などによって入手した移入品である耳飾り、首飾りの2種類の装身具を対象に品目ごとの悉皆的な調査を実施し、代表者がこれまでに習得した考古学的型式分類の手法を用いた分析を行うことで、これまで困難とされてきた、アイヌ民族の移入品装身具資料のおおよその製作地域や使用・収集地域、その年代といった基礎的情報を整備することを主目的にしている。 また、本研究によって得られたデータを即時的に調査先機関に共有することで、データの有用性を示し、従来の先入観に代わって、資料の相互関係の検討促進といった、博物館所蔵のアイヌ民具資料全体の研究促進にも役立てることも副次的な目的としている。
【2023(R5)年度の研究実績】 首飾りを対象に、100点以上の資料を有する博物館での現地調査を数箇所行うことを計画していた。→突発的業務の発生により、調査予定先機関と研究代表者の日程調整がうまくいかなかったため、出張を伴う調査は次年度以降で実施する内容での調整に切り替え、代表者が所属する北海道博物館の所蔵資料調査を実施した。これについて、解析用PC一式を購入し、首飾り資料のリスト作成や法量等基礎的データの集積を行うことができた。また、本研究課題の対象資料である、首飾り・耳飾りなど、移入品アイヌ民具資料を展示する博物館(愛知県)での調査を実施し、関連する資料の基礎データを集積することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023(R5)年度は、研究費用が支給されて以降、研究代表者が突発的な業務が相次いで発生し、当初に予定していた博物館等での現地調査が実施できなかったことにより、調査で使用する予定であった一眼レフカメラ一式の購入を次年度以降に送ることとなった。しかし、現地調査先を代表者が所属する北海道博物館に切り替えた結果、対象であるアイヌの首飾り資料の品目リスト及び対応する法量計測を実施することができた。
上記を踏まえ、2024(R6)年度は、まず調査で必要な機材調達のため一眼レフカメラを購入し、調査を予定する3機関との日程調整を現在進行形で行っている。 また、並行して、関連する文献調査や資料データ集積のための予備調査を行ない、現地調査が円滑に行えるよう準備作業も進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、博物館所蔵のアイヌ民族の耳飾り・首飾りを対象とした品目ごとの悉皆調査を行い、型式分類による分析と文献や古い絵葉書・写真、博物館が管理する資料の関連書類や記録などを幅広く活用した総合的かつ網羅的な比較検討を残り3カ年の計画で行う。 ■2年目【R6/2024】対象:首飾り→飾り板付きの首飾りについては、アイヌ自製の飾り板と和製の飾り板の2種が存在すると認識されているが、予備的調査によって、アイヌ自製の飾り板を模倣して製作したと考えられる和製の飾り板を発見した。こうした手がかりをもとに、博物館等施設において現地調査を実施し、首飾りの飾り板を更に詳細に分類し、自製品・和製品飾り板の相関関係を年代変遷として落とし込む。加えて、ガラス玉の色や大きさといった情報と組み合わせた分析を行い、工法や組成ごとに整理することで、分類を強固なものにする。100点以上の資料を有する博物館での調査を複数予定しているため、以降、3年にわたる調査計画を予定する。(物品購入:資料調査用撮影機材等一式ほか) ■3年目【R7/2025】対象:首飾り・耳飾り→首飾り:同上、耳飾り→申請者がこれまでに行った研究により、大量生産の痕跡を持つ資料が複数存在することを確認している。この視点に基づいた追加の資料調査を行い、データを補強する。 ■4年目【R8/2026】補足調査・データ分析→耳飾り、首飾り両者について、追加の補足調査を予定。現地調査で得た写真や法量などの資料情報は、所蔵館にも速やかに共有を図る。
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