Project/Area Number |
23K00987
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 04020:Human geography-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
川田 力 岡山大学, 教育学域, 教授 (30263643)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | オーストリア / 都市圏 / 持続可能 / 地理学 |
Outline of Research at the Start |
オーストリアにおいては2000年代以降、最大都市のウィーンが都市機能の順調な成長をみせる一方で、中小都市においても都市機能の維持や成長が確認されていた。しかしながら、近年は、国内の地域間競争が激化し、空間的機能分化と地域間格差の拡大傾向がみられるとされ、重層的な空間スケールでの地域開発が必要であるとの認識から都市整備とともに都市圏再編が進められている。 本研究は、ヨーロッパ諸国の都市との国際的都市間競争下に置かれているにも関わらず、持続的成長をみせてきたオーストリアにおいて社会的包摂を掲げて進められている都市圏再編を分析することで、都市の持続可能性に関わる地域的要因を解明しようとするものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
オーストリアにおいては近年は、国内の地域間競争が激化し、空間的機能分化と地域間格差の拡大傾向がみられるとされ、重層的な空間スケールでの地域開発が必要であるとの認識から都市整備とともに都市圏再編が進められている。本研究は、オーストリアの地域計画において、広域連携に基づく都市圏の再編がいかに持続的発展につながるのかを、各都市圏の地域的特性と社会的包摂戦略を関係づけて解明することを目的とする。具体的には、地域統合や地域再編の影響が顕著に現れると考えられる都市圏に注目して、都市間競争への対応と圏域の持続可能性への対応という2つの政策課題の調整状況と、各ステークホルダーの社会的包摂に関する意識と対応の差異を把握し、都市の持続可能性に関わる地域的要因を解明することを目指す。 本年度は、上記の目的を達成するため、オーストリアの空間整備計画・地域計画・都市計画および社会構造についての文献・資料を収集し、文献および資料のデータベースを作成した。また、事例調査候補都市の選定に関する情報収集を行い、現地調査プログラムについて検討を行った。 その結果、近年、オーストリアにおいて、気候変動課題への対応、知識経済への対応、移民や若年層の都市部への流入とそれに伴う土地利用変化への対応などの地域的課題に対して、広域連携に基づいて協調的に取り組むことにより成果があげられている事例が確認された。しかしながら、それらの事例においても取り組みの成果と当該地域の地域的特性や社会構造特性との関係は検討の余地があることも判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は、オーストリアの都市圏の社会構造特性の分析とオーストリアの現地調査を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の統計データへの影響を精査するために社会構造特性の分析に用いるGISデータの購入を延期したため分析が滞っている。また、調査先との日程調整が難航し効率的な調査実施が困難となったことからオーストリアでの現地調査を断念した。このため、研究の目的の達成のための進捗状況は遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は以下の計画で研究を進める。(1)オーストリアにおける地域計画と社会構造に関する文献・資料研究:オーストリアの空間整備計画・地域計画・都市計画および社会構造についての文献・資料を追加収集し、文献および資料のデータベースを拡充する。(2)オーストリアの都市圏の社会構造特性の分析:オーストリアの都市圏のGISデータからオーストリアの都市圏の社会構造特性を分析する。(3)オーストリアにおける事例調査地の選定:文献・資料データベース、およびオーストリアの都市圏の社会構造特性の分析結果を検討し、事例調査候補地域を抽出する。その後、候補地域を巡回し、行政資料の入手および調査協力獲得可能性を確認し、事例調査対象地域を確定する。(4)現地調査の実施:現地調査実施プログラムにもとづき、事例調査地域における社会経済的状況、都市計画、都市圏整備への対応などについての現地調査を実施する。(5)調査結果の分析と補足調査の実施:以上の結果をとりまとめ、地図化処理を加え、都市圏再編と社会的包摂に関わる地域的要因と他地域への影響について分析する。その際、必要に応じて事例調査地域において補足調査を実施する。
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