The Plight of Families and the Value of Caring in a Neoliberal World
Project/Area Number |
23K01012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 04030:Cultural anthropology and folklore-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
西 真如 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 准教授 (10444473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森口 岳 東洋大学, アジア文化研究所, 客員研究員 (00749848)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 家族 / ケア / 新自由主義 / 日本 / ウガンダ |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、新自由主義化する世界における家族の窮状を民族誌的な記述によって理解するとともに、市場原理や自己責任原則に絡め取られないケア実践の可能性を探求することである。本研究では、日本とウガンダにおける調査にもとづき、新自由主義化の展開を具体的な政策過程に即して明らかにするとともに、その過程がもたらす家族の窮状を詳らかにする。そして家族の日常的なケアのやり取りが市場原理や自己責任原則と衝突し、あるいはそれに絡め取られる局面を分析することを通して、新自由主義的な主体化と剥奪に対抗するオルタナティブなケアの議論を提起する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、新自由主義化する世界における家族の窮状を、民族誌的な記述によって理解することである。本研究では家族および家族的なケアの実践がどのような価値に結びついているか、理論的な検討およびフィールドにおける人々の具体的なやりとりの分析から明らかにしようとする。この目的を達成するため、2023年度は次の研究および調査を実施した。 研究代表者の西は、日本の障害者福祉政策の新自由主義化の過程について、過去十数年に急成長した発達障害児の支援事業との関連において先行文献および行政文書の収集と分析を行った。また横須賀市において、発達障害者を対象としたデイケア事業所や就労支援事業所を訪問し、支援者や当事者の家族から聞取調査をおこなった。これらの調査から得られた知見を踏まえ、香港で開催された東アジア人類学会(EAAA)において研究報告を行ったほか、英文論文2編を執筆しており、うち1編は投稿中である。 分担者の森口は、ウガンダ共和国のムセベニ政権下の土地政策や民族政策等が、都市スラム住民の居住や就労をどのように制限してきたか分析するための文献収集と分析を行った。またカンパラ市のスラム地区に居住する家族に対して、日常的なケアの責任が家族の成員にどのように割りあてられ、遂行されているのかを明らかにするための聞取調査を行った。これらの調査から得られた知見を踏まえて、マケレレ大学で講演を行った他、国内で学会発表を行った。加えて論文1編を執筆中である。 また西と森口は、広島市内および東京都内において6回にわたってフェミニスト人類学研究会を開催し、新自由主義、家族、およびケアの問題について考える上で重要なフェミニスト人類学および科学哲学の文献および論点について、他の参加者とともに討論を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初から計画していた文献研究および現地調査を実施したことに加えて、海外での学会発表や講演も実施することができた。また英文及び和文論文の執筆も進んでいることから、当初の計画以上に研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、引き続き日本及びウガンダ共和国において現地調査を行うほか、フェミニスト人類学研究会の開催等を通して、新自由主義と家族の窮状に関する議論を深めてゆく。また欧州社会人類学者学会(EASA)をはじめ、国内外の学会で研究発表を予定している。また引き続き、論文の執筆にも取り組む予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)