公儀触による両領国(徳川・国持外様)体制の最終検証と触研究への情報提供あり方研究
Project/Area Number |
23K01060
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05010:Legal theory and history-related
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
山田 洋一 京都府立大学, 文学部, 特任講師 (50866952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 昇 京都府立大学, 文学部, 教授 (00416562)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 公儀触 / 両領国体制 / 徳川領国 / 国持外様領国 / 法制史 / 国制史 / 地域比較史 / 幕藩体制 / 旧高旧領取調帳 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、公儀(幕府)から出された触(法令等)である公儀触の、A徳川領国とB国持外様領国の末端の村町までの伝達を分析することによって、近世社会におけるA、Bによって構成される両領国体制の存在、構造を、最終的に集中して検証、確定し、これをもって、従来の幕藩体制の構造を明らかにすると共に、今後の触研究のため、情報提供のあり方の研究を社会構造(旧高旧領取調帳)に基づいて行う。 Aは徳川家を主とする親藩、譜代、旗本、直轄地、中小外様大名等からなる領国、Bは加賀前田家等19家(藩)の国持外様大名の各家(分家含む)からなる領国地帯である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、①公儀(幕府)触の、A徳川領国とB国持外様領国の末端の村町までの伝達を分析することによって、A、Bによる両領国体制の存在、構造の確定的最終検証を行うこと、②同体制の中核をなす「公儀」の検証を行うこと、③それらの検証によって得られる経験等をもとに、今後の触の研究環境に貢献するため、領主とその領地の関係が示される「旧高旧領取調帳」を基盤とする触情報の集約・発信のあり方を研究すること、を目的とする。 ①については、東日本、特に東北地域を中心に25回の公儀触が記載される御用留、触留等の調査を行い、画像等のデータ収集を行うことができた。併せて画像等のデータの解読、分析を行った。調査の概要は、「公儀触関係全国御用留・触留調査」として「京都府立大学文学部歴史学科フィールド調査集報10」(2024年3月)にを上梓した(今後同学科HPリポジトリでも公開予定)。 ②については、「公儀」、その訓の「おおやけ」の語誌を確認し、「おおやけ」の原義「大きな家」を表象とする歴史的事象を農村社会学、考古学、民俗学等の研究成果に学び、「おおやけ」とは「物心両面の相互給付関係」で、その源流は縄文時代の「大きな家」であるロングハウスのあり方にあるとした。そのまとめを「『公儀(おおやけ)』の源流 ―両領国(徳川領国・国持外様領国)体制に関係して―」として「京都府立大学学術報告 人文 75」(2023年)に上梓した(同大学リポジトリでも公開)。 ③については、①の調査先、青森県史デジタルアーカイブス等の担当の方々に検討中のあり方を説明させていただき、ご意見等をいただいた。今後、分析を行い、触情報提供のあり方検討の参考にしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度の2023年度は、資料の伝来状況の確認を兼ねて年代等範囲を広げて該当資料の調査、収集(撮影)を行った。そのため収集した資料(画像データ)が増加して、並行して行う予定であった収集資料の解読、分析が予定より遅れた。その遅れを取り戻すため解読等に時間を要したため、後半予定していた調査を若干行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度の調査は、公儀触が記載される御用留、触留等の調査、収集(撮影)を、西日本を中心に行う予定である。前年度は多めの収集となったので、その成果を整理して、分析の基軸年としている天保13年(1842)を中心として行っていくことにしたい。最終2025年度は実施した調査等の成果をもとに公儀触伝達を総合的に分析し、両領国体制の存在等の確定的最終検証を行いたい。 両領国体制のあり方については、体制の中核となる「公儀」についてはこれまで考察を行っているので、その成果にもとづき、他の時代との比較などを行うことにより、特性等の考察を行っていきたい。 触情報提供のあり方については、東日本につづき西日本の関係機関の方々と意見交換を行い、最終年度はいただいたご意見等を総括的に分析、検討し、それに基づいてあり方の検討を行いたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)