Project/Area Number |
23K01089
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05020:Public law-related
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
遠藤 美奈 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (40319786)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2026: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | 関係性 / 憲法 / 学校教育 / 校則 / 市民性 / 生活困窮者自立支援法 / 相談支援 / 対等者からなる社会 / 人としての扱い |
Outline of Research at the Start |
本研究は、人は「人として扱われる」べきという要請につき、日本国憲法上の根拠及びその規範的含意を明らかにし、各憲法機関とそれ以外の関係主体とが協働してその実現を図るためのガバナンスの構想を試みるものである。そのために本研究では、日本国憲法13条、18条、36条、25条などの相補性・関係性について検討し、人が「人として扱われる」べきという要請がこれらの規定を基盤として編み出されうることを示す。そのうえで、個人に加え市民団体や企業その他の主体をも視野に含めつつ、前記の要請が、立法・法執行・訴訟の各場面において、また、権力関係にある私人間においても可能な限りで、適切に配慮・応答される方途を考えたい。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は本研究の開始年として、文献研究を中心に理論的基盤の形成を試みた。 本年度はまず、学校教育全般と、校則のありようを、子どもや教員、教育行政など各主体の関係性に着目しつつ法的視点から分析し、さまざまに働く権力関係の意味付けとその制御可能性について考察するとともに、教育の場における「創造的な相互作用」のための自律の能力と市民性の涵養、個人の尊厳、労働と民主主義のありようなどの関連について検討した。次に、貧困研究者のルース・リスター教授の理論から示唆を得て、生活困窮者自立支援法に基づく相談支援を素材に、人を「人として遇すること」の構成要素とその憲法との結びつきについて考察し、さらに必ずしも組織化されていない市民による困窮者支援は何によって支えられるのかを模索した。そして、本研究の基盤を固めるべく、関係的アプローチを提示した法・政治理論家のジェニファー・ネデルスキー教授と最低限度の生活水準への権利の基礎づけ、立憲主義、ソーシャル・ワーク、市民の行動主義について意見交換を行い、多くの示唆を得た。 本課題の成果として、校則を「排除」されないルールとして位置付けようとする論稿を公刊するとともに、憲法から見た学校教育について講演を行った。また、来日したルース・リスター教授とのワークショップに参加し、人が「人として扱われる」ことをめぐる憲法論に同教授の理論が与える示唆について報告を行った。ネデルスキー教授とのやりとりはこの先の研究の基礎をなすものとして活かされてゆくであろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題でカバーされる範囲のうち、学校教育及び困窮者支援に関わる講演・論稿執筆の機会が得られ、考察を深めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度も引き続き文献研究および研究会報告を通じて考察を深めたい。とくに欧州人権条約及び自由権規約の関係条項に関わる解釈実践について重点的に研究し、日本国憲法の解釈論との接合についてより深い理解を得たい。
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