Project/Area Number |
23K01118
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05030:International law-related
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
田岡 絵理子 立教大学, 法学部, 准教授 (20551039)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | サプライチェーン型取引 / 契約法 / 統一動産売買法 / サプライチェーン / 統一売買法 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、まず、サプライチェーン型売買モデルの取引構造を理論的に解明し、当該取引構造において生じうる契約法にかかる法的問題を同定し、統一契約法が対象とするべき法的文脈および適用可能性のある契約法ルールを、理論的に同定する。そして、サプライチェーン型売買モデルの契約交渉・締結に従事する実務家らへの聞き取り調査から、契約法に関連するいかなる法律問題が懸案事項となり、契約交渉・締結が行われているかにつき調査し、事前の紛争予防策として、実務上利用可能性のある統一契約法のあり方を探る。それにより、サプライチェーン型売買モデルにおける国際統一契約法の可能性を探る。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、サプライチェーンの中で行われる物品売買という取引において、契約法の適用対象となりうるような法的問題が起きうるのか、問題が起きうる法的文脈の同定をすべく、取引構造の分析を行なった。具体的には、サプライチェーンの中で行われる物品売買における各種の問題状況は、サプライチェーンマネジメントとして経済・経営・社会学の視点から議論されていることから、そこでの議論を分析することを通じて、いかなる問題状況がありうるのかを抽出し、それと、契約法が対象とするべき法的文脈があるのか、また、ある場合にどの程度の頻度で当該法的文脈が生じる可能性があるのかについて考察を進めた。サプライチェーンマネジメントにおける議論については、理論的側面からの議論と、実務的側面からの議論があるところ、その双方を足がかりにしつつも、2023年度は、理論的側面からの考察を進めた。 一方では、契約法が対象とする法的文脈は、サプライチェーンにおける物品売買契約においては問題になりにくいのではとの仮定が成り立つものの、それは、そもそも契約法が想定するような法律問題が起きないという意味ではなく、起きる可能性はあるものの対処法がサプライチェーンの仕組みあるいはそこで取り交わされる売買契約の中に折り込み済みであるからではないかと考えられた。その意味では、サプライチェーンにおける物品取引に関して生じる法的諸問題については、事前の予防策の重要性が大きく、その分、事後的な紛争予防策である契約法の実践的な役割が小さくなっていると考えられる。この点から、サプライチェーン型売買における事前の予防策に焦点を当てつつ、その中で契約法としてどのようなルール設計が必要となるのかについて考察を進めるべきではないかとの方向性を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
サプライチェーンの構築の仕方、対象となる物品や業界によって、そこで行われているサプライチェーン型売買には多様性が認められ、それぞれの類型の中でどのような法的問題が生じうるのかを同定することに、想定以上の時間を要していることから、進捗に若干の遅れが生じている。もっとも、それぞれの類型の中での法的問題の生じ方には一定の共通項も認められるようであることも把握され、そのため、共通項をベースに、サプライチェーン型売買における法的諸問題という枠組みで検討することも可能であろうとの手応えもあるため、今後の研究過程で進捗の遅れを取り戻すことはできるのではないかと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、サプライチェーン型の物品取引において、サプライチェーンの構造の中に組み込まれた事前の紛争予防策、そして、サプライチェーンの中で使用されている物品取引契約の中に存する事前の紛争予防策をより深く分析し、それらをサプライチェーンにおける物品取引契約の枠組みと捉え、当該枠組みを念頭においた場合に、契約法としていかなる準則が適当と考えられるのかについて、考察を進める予定である。また、事前の紛争予防策については、取引実務の視点からの考察も必要となるため、実務家への聞き取り調査も予定する。それにより、理論と実務の双方の視点から、サプライチェーンにおける物品取引における紛争の立ち現れ方、法的対応のあり方を把握し、サプライチェーン型の物品取引に必要とされる契約法準則としていかなるものがありうるのかについて検討を進める。
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