| Project/Area Number |
23K01162
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 05060:Civil law-related
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| Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
高橋 真弓 一橋大学, 大学院法学研究科, 准教授 (90340273)
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| Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
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| Keywords | サステナビリティ情報 / 環境・社会価値 / マテリアリティ / スチュワード・オーナーシップ / ESG情報 / ESG評価機関 / 第三者評価事業者 / 社会的企業 |
| Outline of Research at the Start |
本研究は、伝統的に営利法人として構成されてきた株式会社の経営に、環境・社会価値への配慮を求める近年の世界的な議論の潮流を踏まえ、それらの価値を会社の経営や組織構造に組み込むためのインフラとして必要になる新たな法的ルールの構想案に係る課題のうち、特に以下の2つの側面について考察する。 ●環境・社会価値に係る情報開示義務の拡充と、それらの情報を分析・評価し、評価結果をステークホルダーらに提供する事業を営む第三者評価事業者をめぐる法的規律の検討。 ●環境・社会価値の追求を主たる目的に掲げる営利事業者のための新たな法人形態、あるいはかかる事業者を差別化するための制度の導入の要否に係る検討。
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、伝統的に営利法人として構成されてきた株式会社の経営に、環境・社会価値の配慮を求める近年の世界的な議論の潮流を踏まえ、それらの価値を会社の経営や組織構造に組み込むためのインフラとして必要になる新たな法的ルールの構想案と、これを実現するに伴って生じる様々な課題のうち、特に以下の2つの側面について検討することを目的としている。 ①環境・社会価値に係る情報開示義務の拡充と、それらの情報を分析・評価し、評価結果をステークホルダーらに提供する事業を営む第三者評価事業者をめぐる法的規律の検討。 ②環境・社会価値の追求を主たる目的に掲げる営利事業者のための新たな法人形態、あるいはかかる事業者を差別化するための制度の導入の要否に係る検討。 令和6年度は、上記①に関連して、日本・米国・欧州のサステナビリティ情報開示に係る議論の動向ないし開示情報の範囲を画するマテリアリティ(重要性)概念の変容を分析し、同概念と、投資収益とともに環境・社会価値への正のインパクトの積極的実現を目指す投資手法の拡大との対応関係について考察した。マテリアリティ概念は、法域によって異なる変遷を見せているが、投資手法の多様化とそれに応じた情報ニーズの変化等に鑑みた場合、各法域の政策的方針に固有のアプローチとの理解に囚われすぎることは適切ではなく、また情報開示の範囲拡充に伴うコスト負担が過大と評価されるならば、投資者の情報ニーズを無制限に広げることのないようにするアプローチも考えられうることなどを論じた。 また、これと並行して、②の課題について、引き続き欧米の研究文献や統計データを幅広く渉猟し、分析を進めた。令和6年度以降は、いわゆるスチュワード・オーナーシップをめぐる議論やグリーン・インパクト・エクスチェンジの創設等、直近の議論や動向も検討対象としてきている。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和6年度は、令和5年度に実施した「環境・社会価値に係る情報を分析・評価する事業を営む第三者評価事業者をめぐる法的規律の検討」を踏まえ、環境・社会価値に係る情報開示義務の拡充に関する主要法域のアプローチを考察したが、同研究は、投資者側の近年の投資手法の多様化とこれに応じる事業者別の規律の可能性という視点から、情報開示をめぐる法的規律のあり方を研究するものでもあった。この視点は、事業者自身が適用を受ける法的規律を選択することを可能にするという方法により、環境・社会価値に係る法規制を実現する上での課題を乗り越えようとする点で、本研究のもう一つの課題である「環境・社会価値の追求を主たる目的に掲げる営利事業者のための新たな法人形態、あるいはかかる事業者を差別化するための制度の導入の要否に係る検討」について進めている分析にも密接に関連するもので、一部分析対象を共通にもしている。 後者の課題については、更に、令和6年度中にスチュワード・オーナーシップに関連した議論の発展やグリーンインパクトエクスチェンジの創設等、各国で関連する新たな動きも見られたところであり、令和6年度はこれらについても範囲を広げて文献を渉猟してきた。令和7年度には、これらをまとめた研究成果の公刊を目指しているところで、全体としては順調に進捗しているといえる。
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| Strategy for Future Research Activity |
最終年度である令和7年度はまず、「環境・社会価値の追求を主たる目的に掲げる営利事業者のための新たな法人形態、あるいはかかる事業者を差別化するための制度の導入の要否に係る検討」につき、研究成果をまとめて、論文または著書を公刊したいと考えている。直近において、AI関連企業のコーポレートガバナンスに係る実例や欧州での立法論を契機として、非営利法人による株式保有等を通じた統制のもとで事業活動を営む営利法人による社会価値の実現に係る議論が欧米で注目を集めるようになっており、環境・社会価値の実現を掲げる営利事業者にとっての選択肢は更なる広がりを見せている。これに伴い、本研究の射程も当初予定より拡大してきている感があるが、この傾向は暫く継続することが予想されるため、一度区切りをつけて研究成果をまとめ、将来の研究課題との仕訳を図りたいと考えている。 また、「環境・社会価値に係る情報開示義務の拡充と、それらの情報を分析・評価し、評価結果をステークホルダーらに提供する事業を営む第三者評価事業者をめぐる法的規律の検討」についても引き続き研究を進め、従前研究代表者が行ってきた他の企業情報の第三者評価事業者に係る法的規制の分析とあわせて相互比較の上、企業情報の評価事業者に共通する法ルールのあり方をより俯瞰的に考察したい。
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