Project/Area Number |
23K01399
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07040:Economic policy-related
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
青木 周平 信州大学, 学術研究院社会科学系, 教授 (00584070)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 大分岐 / 高度成長 / 経済成長 / 産業革命 / 経済発展 |
Outline of Research at the Start |
経済史家のポメランツは著書『大分岐』において、「イギリスと中国の両地域は、前近代には科学・技術や1人当たり所得に大きな差がなかったにもかかわらず、なぜ19世紀以降、両国の経済には大きな差(「大分岐」)が生じたのか」と問題提起した。ポメランツは、「大分岐」の原因は、イギリスにおいて木材の代替となる石炭の利用と新世界から農作物の輸入が起こり、「土地の制約」が解消されたことにあったと主張している。しかし、ポメランツやその後の研究は、どのような経済学的なメカニズムにより「大分岐」が起きたかを明らかにしていない。本研究は、ポメランツの仮説の経済学的メカニズムを説明する経済成長モデルを構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的の1つは、ポメランツの仮説を農業財部門と工業財部門からなる閉鎖経済の2部門成長モデルに定式化し、「どのような経済学的なメカニズムにより『大分岐』が起きたのか」という学術的「問い」への答えを定量的に提示することにある。もう1つは、「大分岐」の後、当初は停滞グループに所属していた日本、韓国、台湾、香港、シンガポール(及び近年の中国)は、20世紀後半に高度成長し、成長グループにいる欧米諸国にキャッチ・アップしたが、この現象を説明する理論を構築することである。 1つ目の目的のために、2023年度は、本研究の一部となる、大分岐の原因を説明する関する1作目の論文を完成させるべく作業した。特に、論文のイントロダクション部分を大きく改稿した。以前のバージョンでは、単にモデルの設定が羅列的に説明されているだけであったが、改稿バージョンでは、本研究の申請書に記載したものと同様に、Matsuyama (1993)の先行研究との違いを明確にし、新たに追加した設定がなぜ必要なのかを丁寧に説明するように大幅な改稿を行った。現在は、英文学術誌への投稿に向けた作業を行っている。 2つ目の目的のため、戦前から戦後にかけての賃金の上昇に関するデータを調べた。具体的には、『長期経済統計』を完成させた一橋大学の研究グループが、1960年代から70年代にかけて、戦前から戦後にかけての賃金データの測定を行ってきた。これらに関する文献を調査し、整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおりの進捗といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の一部となる、大分岐の原因を説明する関する1作目の論文については、英文学術誌に採択されることを目指して、投稿作業を行っていきたい。高度成長の分析については、引き続き、戦前から戦後にかけてのデータの収集を行い、ファクトファインディングを行いたい。
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