Progress of Recursive Utility Maximization Theory and Its Applications
Project/Area Number |
23K01450
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07060:Money and finance-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
関根 順 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (50314399)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 再帰型効用 / 確率微分効用 / 確率微分ゲーム / 最適投資消費問題 / 後退確率微分方程式 / 後退確率差分方程式 / 動的計画方程式 / Nash均衡 / 再帰的効用 / 動的効用最大化 |
Outline of Research at the Start |
再帰的効用や確率微分効用に基づく最適投資・消費問題の解析を、以下の項目について発展させることを目指す。(1) Epstein-Zin型再帰的効用と相対的パフォーマンス指標に基づくマルチエージェント確率微分ゲームおよび平均場ゲームの研究の発展。(2) ポリシー反復法による確率微分効用に関する最適投資/消費戦略の効率的数値計算手法の研究。(3) その他、再帰的効用や確率微分効用の新規応用を目指した研究。例えば、非凹型 (S 字型) 効用関数を用いた再帰的効用関数の開発や、それを用いた動的効用最大化の研究の実施。
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Outline of Annual Research Achievements |
1)Epstein-Zin型確率微分効用を持つ複数のエージェント(ファンドマネージャー)が競争しながらパフォーマンスを最大化する確率微分ゲームの解析を実施し、(i)各エージェントの非均一性(ポートフォリオユニバースの非均一性)をさらに発展させて明示的な解を得ることに成功した。(ii)エージェントの数を無限に増やした極限で現れる平均場ゲームに関する明示的な解も得ることができた。またこの成果を国際研究集会において発表した。 2)畑宏明氏(一橋大学)との共同研究で、Epstein-Zin型確率微分効用に関する最適投資消費問題に関するHamilton-Jacobi-Bellman(動的計画)方程式の古典解の存在と一意性を示し、フィードバック型最適投資戦略・消費戦略を構成することに成功した。 3)定期的パフォーマンス評価を行う投資家の再帰型効用を用いた最適ポートフォリオ三択問題を考察中。現在問題定式化から考察しているが、既存研究(Tse-Zheng, 2023)でtime separableな効用を用いて調べられていた問題を再帰型効用に拡張し、さらにBlack-Scholes型マーケットモデルをより一般のマーケットモデルに拡張することも考えており、新しい知見が得られることを期待している。数学的に見ても、この問題は離散・連続構造が組み合わさった「ハイブリッド」な確率制御問題になっており、さらに制約条件がついた再帰型効用最大化問題も現れており、興味深いと考えている。 4)深澤正彰氏(大阪大学)、佐藤高志氏(Humbolt Univ. Berlin)との共同研究で、離散時間・状態を持つ金融市場モデルにおける複数エージェントの存在下での均衡解析を後退差分方程式の解析を通して行った。この成果が1)-2)のテーマにもフィードバックされることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記各テーマについて 1)論文に纏めるのが遅れているが、計算結果は得られている。 2)さらに拡張したい部分もあるが、一通り成果が出ている。 3)問題定式化段階ではあるが、一般化も含めた形で整理が出来てきている。 4)関連研究ということで再帰型効用の研究にもフィードバックが期待される。 これらを総合しておおむね順調に研究は発展していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
1)定期的パフォーマンス評価を行う投資家の再帰型効用を用いた最適ポートフォリオ三択問題の解析を進める。この研究は現在指導中の大学院生(山道宏紀氏)との協働で進める予定である。まずは有限期間問題について考察し、さらに無限期間問題へと発展させる。制約条件については当初は予算制約のみを考察するが、発展問題としてリスク尺度で測ったリスク制約を設けることも考えている。またマーケットモデルはBlack-Scholes型モデルでなるべく明示的な解を得ることを追及する一方、より一般の完備市場モデルでの最適解導出も目指すことも考えている。 2)畑宏明氏(一橋大学)との共同研究で、Epstein-Zin型確率微分効用に関する最適投資消費問題に関する研究を継続する予定である。現在置かれている効用関数のパラメータ制約を緩めることが課題である。Hamilton-Jacobi-Bellman(動的計画)方程式の古典解の存在や一意性を示すところに困難が予想されているが、引き続き解析を進めたい。また、パラメータ制約を緩めて効用の凹性が壊れる部分の解析にも関心を持って研究を実施する予定である。 3)Epstein-Zin型確率微分効用を持つ複数のエージェント(ファンドマネージャー)が競争しながらパフォーマンスを最大化する確率微分ゲームの解析の発展として、マーケットモデルをBlack-Scholes型からレジームスイッチング型モデル(ドリフト・ボラティリティ係数が連続時間マルコフ連鎖の関数として表されているモデル)の解析を考えている。 また、これに関連するBrown運動と連続時間マルコフ連鎖で駆動される後退確率微分方程式の研究も関心を持って進める予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)