Project/Area Number |
23K01466
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07060:Money and finance-related
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
都築 幸宏 信州大学, 学術研究院社会科学系, 准教授 (00801599)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2027: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2026: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2025: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2024: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2023: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
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Keywords | オプション価格 / 偏微分方程式 / Black-Scholes方程式 / バブルモデル / 算術平均オプション / ブラウン運動 / ベッセル過程 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、算術平均オプション価格の計算精度向上を目的とする。算術平均オプションのペイオフは原資産の算術平均により表されるため、拡散過程に関する有限区間における積分の分布の計算に帰着される。先行研究で永久年金(無限区間における積分)を契機に算術平均オプションの研究が始まったように、本研究でも申請者の永久年金に関する先行研究を算術平均オプションに応用する。 また、このような有限区間における積分のラプラス変換は、バブル・モデルにおけるオプション価格の計算で有限差分法の境界条件に現れることが、申請者の別の先行研究により明らかになった。バブル・モデルにおけるオプション価格の計算精度向上も研究の対象とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度はバブルモデルにおけるコール・オプション価格の数値的解法に関する研究を行い、論文"Boundary conditions at infinity for Black-Scholes equations"を執筆、投稿した。 オプション価格はある偏微分方程式の解としてあらわされるが、バブルモデルにおいては解の一意性が成り立たず、数値的に解く場合には境界条件を工夫する必要がある。本年度の研究では適切な境界条件を提案し、その特徴を調べ、数値検証を行い理論から予想される結果を確認した。さらに境界条件やそれに対応する解の収束状況の調査や収束先の表現式の導出なども行い、新しい結果を得た。 オプション価格の計算は金融機関において日常的に行われているが、バブルモデルにおけるコール・オプションの計算手法は確立されていなかった。本研究により計算できるモデルが広がり、モデルのいくつかの特徴が明らかになったことは、理論的な面のみならず、社会実装に繋がる成果であり、意義があると考えられる。またバブルモデルの理論は局所マルチンゲールの理論であり、本年度の研究は数学的な観点からも価値がある。 本年度の研究対象であるバブルモデルは本研究課題である算術平均オプションのモデルの候補でもある。バブルモデルはオプション価格理論で常識と思われていた特徴が必ずしも成り立たない例を与えるモデルであり、本年度の研究で得られた知見などは算術平均オプションの研究に資する。また本年度の研究で行った計算は、算術平均過程の指数関数が関連する。この関数の確率的な特徴がわかれば、算術平均オプション価格のフーリエ変換による解法に応用できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展しているが、研究内容は変更した。 当初は一般次元Bessel過程のperpetuityのラプラス変換の導出を行う予定であったが、計算したところ自明な結果しか得られなかった。一方、前年度にPitmanの定理を応用してバブルモデルにおけるコール・オプションの価格計算の着想を得た。本年度はこの研究を深化させたものである。またこの計算は算術平均過程の指数関数が関連する。この関数の確率的な特徴がわかれば、算術平均オプション価格のフーリエ変換による解法に応用できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度と2025年度は複素解析の手法を用いて、これまで得られた実数値拡散過程理論を複素数に拡張する。これにより実確率解析論からは得ることが困難な結果が得られることが期待できる。またいくつかの特別なモデルにおいて算術平均オプションの計算式を導出する。これはフーリエ解析の手法により数値的に解くことができる見通しであるが、明示的な計算式が得られるかどうかを研究する。この研究の副産物として、通常のオプションの価格式が明示的に得られるモデルの特徴づけや新しいモデルの開発につながる可能性がある。 また、算術平均オプションに関する先行研究調査を行う。算術平均オプションの価格計算手法はいくつか提案されているが、決定的な解法なないようである。既存の計算方法を列挙・比較し、問題点を整理する。調査結果は信州大学経法学部の紀要として公開する予定である。 2026年度と2027年度は算術平均オプションの新しい計算方法の確立に取り組む。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)