Project/Area Number |
23K01493
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07070:Economic history-related
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Research Institution | Gifu National College of Technology |
Principal Investigator |
小早川 裕悟 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (00785131)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2026: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2025: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 貨幣史 / 経済史 / 中世史 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、中世日本に流通した金・銀・銭の通貨を研究対象とし、欠落している地方を含む日本全域を対象とする中世日本貨幣史を再構築することを目的としており、中世期において金・銀・銭は取引手段であるため、本研究は中世経済史の発展にも寄与する研究にもなり得る。なお、本研究での研究対象地域は、北海道と東海地方に焦点を当てることとする。 地方の通貨事情に関して先行研究が少ない主な理由としては、文献史料の残存状況が悪いことが挙げられる。そのため、本研究では文献史料に加え、考古資料(出土銭貨)、和市(物価変動)といった複数の観点を融合することにより、研究蓄積の少ない北海道及び東海地方の通貨事情を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、本研究の基礎作業である文献調査を中心に行った。調査した文献は、研究計画の通り、『県史』や『市史』などの郷土史料や荘園ごとにまとめられている文献資料があればそれらを対象とした。本年度の基礎作業の成果の1つとして、『出土銭貨』第44号(出土銭貨研究会)に論稿が掲載された。 初年度である今年は、基礎作業の内でも、最も時間を要すると想定される和市(物価)変動の調査に重点的に取り組んだ。その結果、各地に点在していた東寺領荘園の内、若狭国太良荘と備中国新見荘における和市のデータ化を行った。特に、若狭国太良荘については、『福井県史・通史編2・中世』第五章:中世後期の経済と都市、第一節:産業・交通の発展にて示されている太良荘の和市一覧(834頁~837頁)よりも詳細な結果を得ることができた。今後においては、本年度で得た各荘園の和市変動を分析し、通貨事情の解明に結びつけ、論文の執筆を進めていく。 さらに、先行研究で明らかとなっている通貨事情に含まれている一部荘園の和市変動の調査にも取り組むこともできた。こちらは、今後、先行研究で既に明らかとなっている通貨事情を加味して、検討を進めることで和市と通貨事情の連関性の解明に取り組みつつある。 以上の通り、本年度は2年目以降の研究において必要不可欠となる地道な基礎作業を行う年として位置付けているため、大きな研究成果を挙げるには至っていない。しかしながら、2年目以降の論文執筆などの研究成果をあげるには必須となる研究段階であるため、今後、本年度の成果を活用していく所存である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
和市(物価)研究において、当初に計画していた荘園の和市のデータ化を達成することができ、おおむね順調に研究計画を進めることができているといえる。今回得た和市のデータを活用し、他荘園や先行研究との比較・検討を速やかに行っていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に進展したデータ化された和市(物価)を利用し、他地域や先行研究との比較・検討を行う。また、2年目以降の研究目的として設定している北海道・東海地方の通貨事情に関する研究を文献史学・考古学の両者の観点から進めていく。
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