シェアリングエコノミーの促進・阻害要因に関する日印国際比較研究
Project/Area Number |
23K01653
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07090:Commerce-related
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
坂下 玄哲 慶應義塾大学, 経営管理研究科(日吉), 教授 (00384157)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | シェアリングエコノミー / 消費者購買意思決定 / シェアリング |
Outline of Research at the Start |
本研究は、シェアリングエコノミーを促進・阻害する要因について、特に消費者に内在する心理的要因からのアプローチを試み、文化的に異なる日本とインドという国際比較の視点から理論的、経験的に検討することを目的としている。 目的達成のため、以下の三つの段階を経る予定である。第一段階では研究枠組の構築を目指し、関連分野における理論的・方法論的文献の網羅的レビューを行う。第二段階では研究枠組の精緻化を目指し、レビューに加えて関係者へのヒアリング調査や観察調査を実施、理論仮説を抽出する。第三段階では理論仮説の検証を目指し、定量的な経験データの収集および分析を行うことで、研究枠組の経験的妥当性について検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、シェアリングエコノミーを促進・阻害する要因について、特に消費者に内在する心理的要因からのアプローチを試み、文化的に異なる日本とインドという国際比較の視点から理論的、経験的に検討することであった。こうした試みは、シェアリングエコノミーという比較的新しい現象を支える消費者の心理的メカニズムを解明することにより、同研究枠組の更なる精緻化を促すものであることから、理論的意義を有するものである。また、これまでの西洋(個人主義)対東洋(集団主義)による伝統的な国際比較研究ではほとんど扱われてこなかった、同じアジア圏に属する異なる文化的背景を有した国々を比較検討している点も、理論的に極めて独創的であると言える。実務的観点からは、シェアリングビジネスを展開する企業、および、アジア圏において国際展開を志向する企業に対して具体的指針を提供する点において意義深いものであると言える。更に、同領域における企業の活性化による産業の発展促進は、消費者の過度な購買や浪費を抑制、環境問題や資源問題に一定の解決策を提示することにもつながることから、社会的インパクトも期待できるものである。 以上の研究目的を達成するために、研究期間である三カ年にわたり、以下の三つの段階が予定されていた。すなわち①第一段階では理論枠組の構築を行い、②第二段階では研究枠組の精緻化を目指してさまざまな予備調査を行う。最後の③第三段階では、構築・洗練された研究枠組から抽出された仮説の検証を試みるものであった。 一年目となる本年度は、主に①に関わる研究活動を行った。具体的には、関連分野の既存研究を網羅的にレビューし、重要な諸概念、およびその影響要因の抽出を試みた。また、研究に先立って収集されていた経験データを分析し、関連する知見も含めて発見事項についてまとめ、国際学会に投稿、および発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先で掲げた三つの研究段階には、具体的に以下のような研究活動が含まれていた。まず第一段階では研究枠組の構築と検証すべき仮説の抽出が目指され、キー概念およびその影響要因、関連する諸概念や方法論について包括的、網羅的なレビューを行う。第二段階では研究枠組の精緻化が志向され、日印の一般消費者を対象としたインタビュー調査や観察調査などを含む予備的な調査を通じた定性データ、および質問票調査などによる定量データの収集を行い、構築された研究枠組をブラッシュアップする。第三段階では仮説検証が目指され、日印の一般消費者を対象とした質問票調査を通じて経験データを収集、分析を通じて仮説をテストする。結果を解釈した上で、必要に応じて第一段階や第二段階に立ち戻りつつ、研究枠組の更なる精緻化を試みるものであった。 初年度となる本年度は、主に第一段階の達成に向けた準備活動として、既存研究レビューによりキー概念や関連概念を抽出し、研究枠組構築のための準備を行った。更に、既に収集されていた経験データを予備的に分析し、日印の消費者のシェアリング行動を引き起こす要因について検討した。得られた結果は国際学会に投稿し採択され、成果を発表することとなった。当初は研究代表者が学会に参加する予定であったが、健康上の理由から参加が困難となったことから、研究協力者であるChatterjee Swagato講師(本研究課題応募時点ではインドのIndian Institute of Technology Kharagpurに准教授として所属、その後英国のQueen Mary University of Londonに移籍し現職)に代行してもらった。 以上から、本年度の研究資金支出は限定的となっているものの、内容的には予定された成果を上げていることから、「(2)おおむね順調に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度においても本年度に引き続き、先で述べた第一段階実現のための研究活動を行いつつ、第二段階への到達も目指す予定である。より包括的な研究枠組の構築という観点から、次年度は本年度研究枠組に明示的に組み込んだ宗教性(Religiosity)やスピリチュアリティー(Spirituality)といったキー概念だけでなく、こうした先行要因との関連が予想される他の影響要因についても広く研究対象とする予定である。以上の試みから、より包括的な研究枠組を構築することで、説明力の高い議論を展開することを目指す。 以上の目的を受け、今後の研究の具体的な推進方策として、以下の3点を予定している。第一に、本年度に引き続き関連文献を広くレビューして、より優れた研究枠組の構築につとめる。第二に、日印の一般消費者を対象とした経験データの収集を可能な限り行い、研究枠組の更なる精緻化、および検証すべき仮説の抽出のための準備活動を行う。第三に、本年度は行うことができなかった研究成果の国際学会での発表、および関連分野の専門家との研究に関する意見交換を通じた情報収集を行う。以上により、先で掲げた第一段階の達成、および第二段階の準備を行う予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)