Project/Area Number |
23K01664
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07100:Accounting-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
首藤 昭信 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 准教授 (60349181)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | ディスクロージャー / 空売り / ピア効果 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は,空売り残高情報の公表がピア企業の情報開示行動に与える影響(ピア効果)を調査することである。わが国では,空売り規制の強化に伴い,2008年から空売り残高が市場参加者に公表されるようになった。このイベントに着目して,ある企業の空売り残高が公表された場合,同業種に属する類似企業(ピア企業)が経営者予想利益の公表に関する開示行動を変化させるかどうかを分析する。具体的には,ピア企業の開示インセンティブを理論的に整理した上で仮説を設定し,空売り残高情報の開示後に経営者予想利益に関する開示の量,内容およびタイミングについて変化が見られるかどうかを調査する予定である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,空売り残高情報の公表がピア企業の情報開示行動に与える影響を実証的に調査することである。ピア効果に関する理論研究は,空売りを脅威に思うピア企業の開示行動に関して,異なる2つの予測を提示する。1つは,ピア企業は積極的な情報開示を行うことで情報の非対称の緩和を通じて株価のミス・プライシングを是正し,空売りされる可能性を低下させるという予測である。もう1つは,ピア企業の経営者はバッド・ニュースをより強調するような開示を行うことで,投資家の企業評価の不確実性を高める戦略を取るという予測である。これも空売りの可能性を低下させることを目的とするが,2つの予測の開示行動は異なるものとなる。 本研究ではこれらの理論的予測の妥当性を検証するために実証分析を実施する。具体的には,空売り残高情報の開示後に,ピア企業の経営者予想利益に関する開示の量と内容について変化が見られるかどうかを調査する。 本年度は,第1に,先行研究のサーベイを通じて,既存研究を整理し,本研究の位置づけを明確にした。具体的には,会計学とファイナンス領域における「空売り」と「ピア効果」に関する研究を包括的にサーベイすることで体系化を行い,それらの知見にもとづいて理論仮説を設定した。第2に,本研究の分析目的に沿ったリサーチ・デザインを設定し,実証分析を実施した。その結果,日本のピア企業の経営者は,情報の非対称性の緩和を目的として,情報開示を行うことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では,本年度の課題は先行研究のサーベイと仮説の設定であった。しかし,本年度は来年度に実施予定であった,リサーチ・デザインの設定および実証分析の一部を実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の進め方としては,第1に,実証分析を多角的な観点から進めることにより,結果を頑健なものにすることである。第2に,実証分析の結果にもとづいてワーキング・ペーパーを執筆することである。ワーキング・ペーパーの執筆後は,国際学会や国際カンファレンスで報告する予定である。具体的には,アメリカ会計学会,ヨーロッパ会計学会,またはThe Hawaii Accounting Research Conferenceといった学会またはカンファレンスでの報告を予定している。報告を通じて論文のブラッシュ・アップを行い,国際的な査読誌への投稿を行う予定である。
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