デジタル化時代における中小企業の会計情報作成プロセスに関する研究
Project/Area Number |
23K01691
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07100:Accounting-related
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Research Institution | Kagoshima Prefectural College |
Principal Investigator |
宗田 健一 鹿児島県立短期大学, 第二部商経学科, 教授 (60413704)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 会計管理 / 会計システム / 会計情報作成メカニズム / 中小企業のデジタル化対応 / DX / RPA / ロボティック・プロセス・オートメーション / 税理士 / 中小企業 / DX:デジタル・トランスフォーメーション / RPA:ロボティック・プロセス・オートメーション |
Outline of Research at the Start |
会計学研究は,時代ごとの社会経済環境に依拠しながら発展してきた。近年では,デジタル経済が進化してきている。そこで,本研究は,中小企業のデジタル化対応のうち,会計学の視点から,会計管理と会計情報作成メカニズムに焦点を当てて考察することを目的とする。 DXが進み,先端デジタル技術の果たす役割は年々大きくなっている。そこで,デジタル技術を積極的に活用する中小企業の事例を通じて会計業務を観察し,デジタル化対応の会計記録とはいかなるものかを考察する。 そして,会計情報作成者・利用者の双方にとって,適合的な方法でどのように会計システムが構築されているのか,会計情報を作成しているのかというメカニズムを解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,中小企業のデジタル化対応のうち,会計学の視点から,会計管理と会計情報作成メカニズムに焦点をあて考察するものである。具体的には,電子帳簿保存法やインボイス制度への対応などが必要とされる中,中小企業において先端デジタル技術がどのように会計情報作成において利用されているのかについて経理業務を観察することを通して,デジタル化対応の会計記録とはいかなるものかを考察する。 2023年度は,中小企業のデジタル化対応の実態を調査するための準備作業として,国内外のRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)に関する先行研究を中心にレビューした。そのうえで,中小企業ではどのような要因があれば会計管理が進むのか,また,進まないのかについて,中小企業や税理士事務所にインタビュー調査を行った。 その結果,中小企業では,電子帳簿保存法やインボイス制度の導入を契機として,経営活動のデジタル化記録,デジタル化記録による意思決定,デジタル化記録に基づいた日常業務,法制度への対応などを推進していることが明らかとなった。また,中小企業のデジタル化推進には,会計専門職(税理士や公認会計士)が深く関与していることがうかがえた。 そこで,税理士事務所におけるRPA導入と中小企業のデジタル化対応支援について,RPAメーカー,RPAベンダー,税理士事務所の3者にインタビュー調査を行い,デジタル化時代における会計業務とRPA導入のメリット・デメリットについて考察を進めた。 中小企業の行なう会計管理や会計情報作成システムの実態については,いまだ未解決の点が多く,継続的な調査が必要であるものの,RPA導入の調査研究を通じて,人材や資金的に制約のある中小企業においても,デジタル化対応の会計管理が実行可能であることの一端を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は,研究目的を遂行するため,定量的調査と定性的調査の双方を実施する予定であり,2023年度は,定量的調査を進める予定であったが,予定した調査が進まなかった。逆に,定性的調査については,インタビュー調査を複数実施することができた。したがって,現在までの進捗状況は「やや遅れている」。 研究アプローチとしては,探索型アプローチ と検証型アプローチを用いる予定であり,2023年度は,探索型アプローチに重きを置いた調査研究を進めた。具体的には,先行研究を基礎として,我が国におけるRPA導入実態調査の分析を行った。 近年,官民問わずRPAを導入する事例が散見されており,2023年度は,中小企業支援に最も関係性の深い会計専門職(税理士事務所)を対象としてインタビュー調査を行い,RPA導入のメリットとデメリットを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は,2023年度に準備していた「中小企業のデジタル化対応の実態調査」を実施する。具体的には,先行研究を踏まえて定量的調査(アンケート)を行う。調査対象は差し当たり,鹿児島県内の中小企業を予定している。アンケート結果より①すでにデジタル化に対応している中小企業,②デジタル化に対応中の中小企業,③これからデジタル化に対応する中小企業の3つにグルーピングして,会計情報作成プロセスについて分析を進める。 この分析では,インタビュー調査を用いて,中小企業における会計管理の実践状況を調査し,優れた会計管理技法や会計情報作成システムの実態を明らかにする。さらに,中小企業で導入されていない会計管理知識や技法などがあれば,その原因や課題を明示する。また,個別企業でユニークな会計情報作成システムがあればそれを描写する。とりわけ,RPAの導入状況については,個別企業ごとに事例研究を行う予定である。 2025年度は,2023・24年度で得られた結果・結論,平行して行った定性的研究結果の分析 を踏まえて,中小企業のデジタル化対応と会計管理・会計情報作成メカニズムについて考察を深める予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)