Project/Area Number |
23K01723
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
吉田 崇 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (80455774)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | ライフコース / 高等教育 / 就業構造 / 地域格差 / 地域移動 / ジェンダー / 累積的不平等 |
Outline of Research at the Start |
人びとのライフコース上の格差の蓄積過程に地域・地域移動がどのように作用するのかを、(1)地域格差の実態記述、(2)地域移動とライフコース格差の動態、という2つの側面に分けて検討する。その際、地域格差や地域移動を測定できる信頼できる複数の社会調査データに依拠する。1年目は、先行研究をサーベイし、(1)の地域格差の実態記述を行う。2年目は各種の社会調査データを用い(2)の地域移動がライフコース格差に及ぼす影響について分析する。これらの結果について研究会や学会で報告する。3年目も引き続き(2)の課題に取り組み、研究成果を学術誌に投稿する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ライフコースにおける不平等の蓄積過程に地域要因はどのように作用するのか、という問いについて複数の調査データを用いて実証的な知見を提供することを目的としている。具体的には、(1)ライフコースの機会格差にはどのような地域格差があるのかを記述し、(2)地域要因および地域移動はライフコース格差の連鎖・蓄積過程にどのように作用するのか、を明らかにする。本年度の活動・成果は以下の通りである。(1)に関しては、地域移動が集中するライフコース初期のイベントである高校卒業後の高等教育進学に関して、既存統計資料(学校基本調査)を用いて、都道府県ごとの機会構造(大学収容力、進学率の男女格差、県内進学率等)を整理し、時系列データを準備した。結果の一部は、研究会報告を行うとともに県教育委員会主催の講演会で報告した。また、ライフコースにおける不平等の蓄積に関して、親の教育関与の階層差と世代間関連について、別途実施された「三世代調査」を用いて分析した。教育関与の階層差と教育関与の連鎖が確認され、複数の学会で報告した。(2)に関しては、別途実施した社会調査データ(高校生と母親調査)を用い、進学時の地域移動が教育達成に及ぼす影響について分析し、研究会で報告した。また、所属機関の研究所が県下15校で実施している高校生の進路意識調査を用い、進学・就職時についての地域志向について、地域、性別、高校ランク、出身階層(親学歴)を考慮した分析を行い、研究会で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究プロジェクト全体の準備として各種データを整理した。都道府県単位の大学進学に関しては「学校基本調査」の公表統計が充実している。これを元に、進学時地域移動率などの各種指標に加工し、50年以上にわたる時系列データが準備できた。これは本研究の中心課題である大規模社会調査データを用いた地域移動を分析する際のベンチマークとなる成果である。たとえば、別途実施された「高校生と母親調査」を用いて地域移動の分析を行った。サンプルサイズの関係で地域ブロック単位での進学時移動率を求めたところ、学校基本調査の値と整合的であった。また、SSM調査を用いて、大学進学時、初職就職時の地域移動(都道府県間移動)の測定について予備的分析を行った。こちらも地域ブロック単位で集計した結果、進学時の移動率は学校基本調査で得られた値と概ね整合的であった。今後、類似の調査設計の社会調査データ(働き方とライフスタイルの変化に関する全国調査)を加えて分析を行う上でも参照できる。就業構造の地域格差については、「就業構造基本調査」の個票を用いた分析を計画していた。しかし、初年度はSSM調査を用いた予備的分析と就業構造基本調査の公表値の整理がメインで、個票データの利用申請には至っていない。また、別途実施している県内の高校生の進路意識パネル調査については、第2波を実施した。しかし、データの整備が遅れているため第2波のパネル分析には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、大規模社会調査(「社会階層と社会移動全国調査」(SSM調査)と「働き方とライフスタイルの変化に関する全国調査」)を用いて進学・就職時の地域移動と教育・職業達成および家族形成を含むライフコースの格差について分析する。進学時の異動については、県下の高校生パネル調査を継続実施し、パネル調査として整備して分析し、結果のフィードバックを行う。格差の連鎖については、「3世代調査」を用いて親の教育関与の世代間再生産について分析し、論文にまとめる。公的統計を用いた就業構造の地域差については就業構造基本調査の個票データの利用申請を行い、承認され次第、職業・産業情報を用いた分析を行う。
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