高度に医療化された死による地位移行――緩和的鎮静のエスノグラフィー
Project/Area Number |
23K01743
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田代 志門 東北大学, 文学研究科, 准教授 (50548550)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 持続的深い鎮静 / 終末期医療 / 看取りのパス / 標準化 / 地位移行 / 死にゆく過程の医療化 / エスノグラフィー |
Outline of Research at the Start |
本研究は、医療者の経験の聞き取りや緩和ケア病棟での観察を通じて終末期医療における緩和的鎮静(palliative sedation)という実践の記述・分析を行い、死の社会学における生者から死者への地位移行(status passage)についての理論的刷新を図るものである。この作業を通じて、現在世界中で進展する「死にゆく過程の医療化」を捉えるための新たな社会学的視点の確立を目指している。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は理論的な検討と先行研究の網羅的な収集・分析を行うとともに、次年度以降の本格的な調査の開始に向けて予備調査を実施し、研究計画をブラッシュアップした。この過程で、鎮静に限定せず幅広く死亡直前の事象を扱った方が調査に広がりが出ること、また関連する近年の重要な社会科学的な研究成果として死亡直前期のケアを標準化する試みを取り上げたものがあることが明らかになった。これにより、当初の研究計画を一部修正し、鎮静を含む様々な死亡直前の事情に関する医師の経験にフォーカスすること、さらには死亡直前期のケアを標準化する試みが日本と海外でどのように進められてきたのかを明らかにすることを研究の目的とすることとした。 特に本年度はイギリスで開発され日本を含む世界各国で使用された看取りのパスであるLiverpool Care Pathwayに関する文献研究及びインタビュー調査を進め、鎮静を含む死亡直前期のケアを標準化する試みの現状と課題を明らかにし、その成果を学会で報告した。Liverpool Care Pathwayに関する社会科学的な研究においては、こうした標準化ツールが常にローカルな知識とともに使用されていること、さらにはツールを持ち込む人の重要性が指摘されていた。なお、この過程で分析概念としてboundary object論の重要性が明らかになり、次年度以降この概念についてもさらに研究を進める予定である。また、国内における重要な標準化ツールとしてはLiverpool Care Pathwayと同時期に開発されていたパンフレットが広く利用されていることもわかり、このパンフレットの作成の過程や実際の利用についても次年度以降にさらに調査を進めることとしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画からの変更はあったものの、より包括的な研究に変更したことにより、次年度からの調査についても実施可能性が高まったため。また、研究開始当初は把握できていなかった重要な先行研究の発見があり、それに伴い分析の視点がほぼ確定したため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画をより包括的なものに修正し、次年度以降は本格的な調査を開始する。特に当初予定になかった標準化ツールの調査については作成過程と現場での運用についてさらに詳細な調査を追加し、学会報告及び論文化を行う。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)