History of what we think of as social welfare
Project/Area Number |
23K01944
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08020:Social welfare-related
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
野口 友紀子 武蔵野大学, 人間科学部, 教授 (20387418)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2027: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2026: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 慈善 / 社会事業 / 婦人慈善会 / 福祉の複合体 / 社会福祉史 / 女性団体 / 私設団体 / 社会福祉 |
Outline of Research at the Start |
この研究は、従来の社会福祉史研究では否定的に評価された活動を取り上げて再評価する。社会福祉史研究者の吉田久一や池田敬正によって描かれた通史の中では、明治初期の富裕層の女性の慈善活動が評価されていなかった。なぜこの活動が評価されなかったのかを検討する。この検討により、社会福祉史上一般的と考えられている社会福祉の活動と評価されない活動との相違が生じる背景、すなわち吉田や池田をはじめとする社会福祉史研究者たちが自明とする社会福祉に対する共通の視点が明らかになる。それを踏まえて、この研究ではこの旧来の視点とは異なる新しい社会福祉史の視点を提示し、従来の社会福祉史の枠組みとは異なる歴史を描く。
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Outline of Annual Research Achievements |
・「慈善のはじまりと展開―『女学雑誌』にみる婦人慈善会の活動の意味―」(『東京社会福祉史研究』17、2023年、5-24。 本稿では、明治17年に結成された婦人慈善会の活動の分析から、女性の慈善活動を社会事業史に位置付けることを目的とした。先行研究である通史の中では、明治初期の富裕層の女性の慈善活動が評価されていなかった。吉田久一は、婦人慈善会を「鹿鳴館的欧化主義の風潮下に結成されたもの」であり、「いわゆる二頭立の馬車に乗った貴婦人達の慈善で、バザーにも一般公衆の来場をみとめないという権力的、あるいは貴族主義的な上からの慈善であった」と評した(吉田久一[1974] 『社会事業理論の歴史』一粒社、88)。池田敬正は明治の慈善事業思想の一つとして「欧化主義的慈善事業思想」を挙げて、欧化主義が「鹿鳴館の舞踏会に象徴されるように表面的な物まねにすぎなかったことはよく知られている」として、それが慈善事業にまで広がったと述べた(池田敬正[1986] 『日本社会福祉史』法律文化社、275)。このように婦人慈善会の活動に対する評価はマイナスであった。 しかし、婦人慈善会の活動は、施療病院に看護師がいないことを知った女性たちが、看護学校を作るための費用を病院に寄付することを目的としたものであった。慈善バザーの開催は、派手で華やかなものであり、慈善活動とは相入れない部分もあり、当時にも批判はあった。ただ、仕組みとしては、富裕層の女性たちが富裕層の人からバザーに出品するものを集め、富裕層の人に購入してもらうものであり、そこで集まったお金を施療病院に寄付した。この活動は数年間は継続され、また全国に広がりを持ち、女性の社会的な活動の場となったといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
資料の収集は進んでいる。分析して執筆することに時間がかかっているが、概ね計画通りに進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
福祉の複合体という視点を社会福祉の歴史研究に用いるため、関連文献を整理してまとめる。例えば、以下のような文献である。 ①Finlayson, G. (1990) “A moving Frontier: Voluntarism and the State in British Social Welfare in 1911-1949”, Twenty Century British History, 1(2), 183-206.②Finlayson, G. (1994) Citizen, State, and Social Welfare in Britain, 1930-1990, Oxford University Press.③Harris. B. and Bridge. P. (2007) “The “Mixed Economy of Welfare” and the Historiography of Welfare Provision”, in Harris. Bernard and Bridge. Paul, eds., Charity and Mutual Aid in Europe and North America Since 1800, Routledge, 1-18. ④Johnson, N. (1999) Mixed Economy of Welfare: A Comparative Perspective, Routledge(first published by Prentice Hall Europe). (=2002青木郁夫・山本隆監訳『グローバリゼーシ ョンと福祉国家の変容 国際比較の視点』法律文化社.)⑤高田実(2001)「「福祉国家」の歴史から「福祉の複合体」史へー個と共同性の関係史をめざ してー」『社会政策学会誌』6,23-41.
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)