Project/Area Number |
23K01945
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08020:Social welfare-related
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
平澤 恵美 明治学院大学, 社会学部, 准教授 (70611804)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 精神障害 / 地域生活支援 / 医療・保健・福祉の連携 / 国際比較 / ソーシャルワーク / シームレスケア / 精神科病院 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、精神科病院を中心とした日本の精神医療保健福祉から地域ケアを中心とした精神医療保健福祉へと転換していくための一つの枠組みとして、ベルギーの精神医療改革に焦点をあて、地域生活の継続を可能としている要素について検討する。ベルギーでの実践から、精神科医療を保健や福祉に繋げていくための方法を探り、精神障害のある人々が地域生活を継続していくために必要な切れ目のない支援を実現するためのソーシャルワークとしてのシームレスケアモデルについて検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、精神障害のある人が地域生活を継続していくために必要な、切れ目のない支援を実現するためのソーシャルワークに焦点をあて、医療を保健や福祉に繋げていくための方法を探り、シームレスケアモデルの開発を試みることである。この目標を達成するために、2023年度は以下の点を中心に取り組んだ。1点目として、地域を基盤とした精神医療改革を実現したベルギーの歩みを整理した。日本と同じように個人や法人が運営する精神科病院が中心とされていた社会構造のなかで、地域中心の支援体制に転換していったベルギーの精神医療改革のプロセスをまとめ、2024年度に論文として発表できるように準備をおこなった。2点目として、ベルギーでおこなわれているコ・プロダクションモデルの概要を調査する前段階として、日本のピア活動に着目し、北海道でピアスタッフを雇用しているクリニックおよび神戸でピアスタッフと活動している地域の事業所でヒアリング調査をおこない、ピアがシステムの中で果たす役割とその効果を中心にまとめた。3点目として、近年、様々な地域で実践されているリカバリーカレッジの実践について海外の文献と日本の文献を中心に検索し、研究ノートとしてまとめ発表した。4点目として、日本における精神科病院での退院支援の現状を把握するために、2024年度に実施するアンケート調査項目について検討をおこない、準備を進めた。5点目として、2024年度に訪問を予定しているベルギーの実践現場として、本研究に必要な調査を実施することができる事業所や行政機関について調べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は文献調査を中心に、2024年度から実施を計画している海外調査の準備をおこなうことができた。特に海外の文献を収集することで、国内での限定された内容だけではなく、幅広く本研究のテーマに関する情報を得ることができた。また、ピアスタッフに関する調査として複数のフィールドでヒアリングをすることができ、ピアスタッフが活躍しているリカバリーカレッジについてもまとめることができた。 一方で、2023年度に計画していた調査の内容として、不十分だと感じている点は、2024年度に予定しているベルギーでの現地調査のフィールド開拓がまだ終わっていない点である。2025年度には長期でベルギーに滞在し、調査を実施する予定をしている。そのため、2023年度は一定の成果を得ることができるフィールドを選定しておきたいと思っていた。しかしながら、調査先に連絡を入れてもレスポンスがなかったり、受入が難しかったりするケースが重なっている。今後の予定として、ベルギーの精神医療に精通している日本の研究者を通して現地の方を紹介していただき、調査の依頼をおこなう計画をしている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究として、2024年度はベルギーでの具体的な調査を開始する。医療と保健・福祉をつなげるための方策として、精神医療改革のなかで、どのようにこの3者がつながっていったのかを明らかにするために、医療現場・保健現場・福祉現場でのインタビュー調査をおこなう。また、政策的な動向だけではなく、精神障害のある人々の生活の質が改革によってどのように変化していったのかという点にも着目し、リカバリー、コ・プロダクションモデルについてもヒアリングをおこなう。現場の調査として、支援者だけに焦点をあてるのではなく、ピアスタッフを含む当事者にも焦点をあて、相互関係を含む協働プロセスについても考察をおこなう。 2025年度は、サバティカル研修の年になることから、ベルギーもしくは近郊の地域に滞在し、現場に頻繁に入ることで、詳細な情報を収集し、精神障害のある人々の生活に関する理解を深めたい。最後のまとめとして、本研究の目的でもある医療を保健や福祉に繋げていくための方法とシームレスケアモデルの開発を試みたい。
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