望んだ食感を得る食品構造を自動設計することは可能か?
Project/Area Number |
23K01968
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08030:Family and consumer sciences, and culture and living-related
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
武政 誠 東京電機大学, 理工学部, 教授 (30318795)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | Food 3D printing / Food texture / Food structure / Deep learning / フード3Dプリンタ / 食感 / レオロジー / 食品 / 多糖類 |
Outline of Research at the Start |
食感を自由に設計すること、特に材料や内部構造に立脚した設計は困難を極める。本研究で「望みの食感を得る食品設計指針を確立」する。設計する多様な構造を具現化するために「フード3Dプリンタ」を利用した自動造形を行い、多種類の構造を対象に自動食感測定を実施し、網羅的な「構造-食感相関データベースを構築」する。天然材料を利用し経験に基づいて食品を設計する従来法に対して、全く逆の設計手法として「望みの食感を与える食品の構造を推定するシステム」を本研究で構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、望む食感を実現する食品の構造を推定するために、食感ビッグデータを構築し、機械学習に基づいて構造を推定することを目指している。この推定は、今後フード3Dプリンタが家庭に普及する中で、フードロスを最小限に抑えながら消費者の希望に合わせた食品製造技術としては必ず必要となる技術である。一方、食品材料を2~3種類に限定した場合であっても、食感を担う大変形時の圧縮挙動は予測が困難であった。食品材料が主として高分子材料で構成されており、また高濃度でもあることに起因して、圧縮挙動、特に変形量と圧縮荷重が線形性に乏しい、非線形性の強いケースが非常に多いためである。 指定の食感を実現する食品材料および構造の組み合わせを得ることは、前述の非線形のために一般に困難である。 本研究では、この問題解決に、さまざまな構造を有する食品を作成し、食感評価を行う。この対応を数百、数千と蓄積することで、希望する食感が得られる構造を逆引きで調べることは確実に可能となる。一方で、天然の生体組織が有する分解能まで、構造の最小単位を縮小した場合、一口サイズの食品であっても全構造を網羅する実験が不可能なほどに総数が増加してしまう。 本研究において、この問題を解決するために、多数の構造を3Dプリントし、それを食感測定を行う自動評価システムを構築し、これにより構造―食感相関を反映させたビッグデータを構築する計画である。 令和5年度は、食感自動測定システムに、フード3Dプリンタを組み込み、統合させる開発を行った。実際に数回程度の連続測定に成功している。一方、その過程で新たな課題も見つかった。圧縮測定機器が元々連続測定を想定しておらず、装置に付着した食品材料が次の測定に影響を与える事が判明した。この問題を解決することにも取り組み、影響を最小化して2連続測定まで確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、望む食感を実現する食品の構造を推定するために、食感ビッグデータを構築し、機械学習に基づいて構造を推定することを目指している。そのために必要となる学習データ取得、つまり総当たり的な実験手法確立にまず取り組んだ。立方体を2×2×2=8ブロックに縦横高さ3軸それぞれを2分割し、2種類の材料で立方体を構成するよう3Dプリント技術を確立した。対称性を考慮して全種類プリントした食品に対して、本年度は全ての食品構造に関して多重度2以上で計測を終えた。 今後、3×3×3=27ブロックへと、立方体をより細分化し、また食品材料を増加させる前提であるが、機械学習に必要なビッグデータを自動収集するシステム構築を進めた。具体的には、フード3Dプリンタを我々が開発ずみのシステム、自動食感測定システムへと組み込む開発を開始した。 現時点では全てが自動化されているわけではないが、今年度は、フード3Dプリンタのスタートを遠隔で、ロボットアームを利用した食感自動測定システムを統括するPCから、同期させて遠隔制御する部分は完成した。また3Dプリント食品を造形直後に、ロボットアームを利用して、テクスチャーアナライザへと移動させる事にも成功しており、既存のシステムと統合制御することで、3Dプリント開始から、プリント食品の圧縮、つまり食感評価を経て、プリント食品を破棄して次の3Dプリント工程へと、自動で2連続で測定を行うことにも成功している。 今回開発を行って初めて判明した課題としては、食品のテクスチャーによっては、圧縮器具に付着してしまい、連続した測定でビッグデータを構築するためには、2回名以降の測定への影響が無視できない。この問題を解決するために、圧縮器具のクリーニング機構をシステムに組み込むことにより、この問題を大幅に低減する事に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、連続測定回数を増加させて、ディープラーニングの予測性能を高めることに注力する。そのために必要なハードルとして、3Dプリンタ側の問題としては、3Dプリンタ側の連続インク供給システムを改良する必要があるが、スクリューポンプ方式の3Dプリンタへと組み換えて問題を解決する計画である。ロボットアーム側の課題としては、位置決め精度に課題が残るが、3Dプリンタ側やロボットアーム側のシステム制御から、磁石等を利用したパッシブな方法へとスイッチする計画である。ディープラーニングのプログラミングに関しては、仮想データを生成してプログラム側の性能や必要とされるデータ量の推定を実施する。これらの3方向での取り組みにより、システムとして統合させた後に食感から構造を予測するシステム構築を進める計画である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)