Project/Area Number |
23K02112
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
葛西 耕介 愛知県立大学, 教育福祉学部, 准教授 (00769010)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2026: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 父母参加制度 / 学校運営協議会 / コミュニティスクール / フィンランド / イギリス / 校長の職能開発 / 校長のリーダーシップ / 校長の専門職基準 / 国際比較 |
Outline of Research at the Start |
現在政策的に量的拡大が進められている学校運営協議会制度は、イギリスの「学校理事会」やドイツの「学校会議」など諸外国にもヴァリエーションをもって存在する学校運営への父母参加制度の1つである。しかしながら、国際比較的にみた場合、学校運営協議会による父母参加は、量的にも質的にも端緒的なものに留まっている。本研究は、この現実を解消するため、国際比較的な視点や国家主権と親の教育権との対抗という公教育にとって本質的な視点からの理論的かつ実証的な研究を通じて、学校教育への父母参加を量的にも質的にも改善していこうとするものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本、イギリス、ドイツの3か国の父母参加制度を対象にして、各制度を支える原理・思想とその実態とを規範的かつ実証的に明らかにし、それをもって、(1)父母参加制度の国際的到達点の解明、(2)学校運営協議会制度の相対的位置の解明、(3)学校運営協議会制度を国際的到達点に沿った制度ないし運用に高める条件の解明、を行うことを目的としている。 本年度は、第1に、イギリスの父母参加制度の1つである学校理事会に関係して、学校理事会の在り方を左右するのは校長であることから、校長の職能開発の仕組みを明らかにすることに重点を置いて研究を進めた。具体的には、校長の職能開発について文献やウェブサイトを通じたその実情の把握のほか、現地を訪問して全国校長資格(NPQH)のプロバイダーに対するインタビュー調査を行った。いまだ探索的な調査であるが、文献調査と相まって校長の職能開発についての政府の方針や政策、校長の専門職基準、校長資格獲得のカリキュラム、校長のバックグラウンドなどについて把握、解明を進めることができた。 第2に、そうした校長のリーダーシップと職能開発に関係して、当初計画では調査対象国とはしていなかったフィンランドについても、訪問調査を行った。すなわち、フィンランドにおいても学校経営における校長のリーダーシップは決定的に重要だとされ、研究の蓄積も進んでいる。そこで、フィンランドにおける父母の学校運営へのかかわりの実情、それに対する校長の認識、さらに校長の職能開発について、学校と教育委員会関係者へのインタビュー調査を行い、また研究者と交流をもった。 第3に、こうした国の状況と比較しつつ、日本各地の学校運営協議会の実情について学校・教育委員会関係者に聴き取りを行い、また学校運営協議会規則の収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画の通り、文献調査のほか、イギリスやフィンランドを訪問したインタビュー調査を行うことができた点で順調に進展している。もっとも、より精緻な実態把握を行うためには、インタビュー調査をよりたくさん実施する必要がある。 また、計画していたドイツへの訪問については、日程上かなわなかったため、次年度への課題として残されている。
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Strategy for Future Research Activity |
第1に、文献調査による理論的な研究としては、イギリスについては、政府の政策が流動的であるため、継続的にその政策をフォローしていく。ドイツについては、近年の教育政策の変化ともあいまって学校参加政策についても変化してきているようであるが、この点について、歴史的・経年的な変化を把握する研究を進めていく。 第2に、訪問調査による実証的な研究としては、イギリスについては、2023年度に続いて、全国校長資格のプロバイダーへの聴き取り・インタビュー調査を行う予定である。ドイツについては、学校会議の参与観察と学校関係者への聴き取り・インタビュー調査を行う予定である。 第3に、日本の学校運営協議会について、上記の調査結果と比較対照しつつ情報を収集していく。
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