女性のビルドゥングスロマンをめぐる教育社会学的研究―成長なき時代の「成長」再考
Project/Area Number |
23K02183
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09020:Sociology of education-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲垣 恭子 京都大学, 教育学研究科, 名誉教授 (40159934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 里欧 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (40566395)
濱 貴子 富山県立大学, 工学部, 准教授 (10711616)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | ビルドゥングスロマン / 成長 / 女性 / 成長なき時代 / 教育社会学 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、男性を中心とした近代型の「成長」モデルが失効しつつある現代社会において、ビルドゥングスロマンという視点から、女性の「自己形成」や「成長」に新たな光を当てることによって、現代における「成長」の意味を明らかにすることにある。本研究では、戦後日本における女性を主人公とした成長物語について、その表象と受容の両面から分析するとともに、現実における「成長」経験について幅広い層を対象とした質問紙調査・インタビュー調査を実施し、女性の「成長」をめぐる表象、受容、現実の関係を総合的に考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、男性を中心とした近代型の「成長」モデルが失効しつつある現代社会において、ビルドゥングスロマンという視点から、女性の「自己形成」や「成長」に新たな光を当てることによって、現代における「成長」の意味を明らかにすることにある。 経済的成長と自己形成をパラレルに見立てる男性を中心とする近代型の成長モデルが失効しつつあるなかで、女性の「成長」の過程を描く物語(ビルドゥングスロマン)を社会学的な視点から再検討することは、ビルドゥングスロマンの概念を広げ、成長なき時代における多様でレジリエントな生き方が模索されている現代社会における「自己形成」や「成長」の意味を再検討する上で重要である。 本年度は、「成長」のとらえ方について、ウェルビーイングや物語論の先行研究を読み込むことによって再検討を行い、女性の成長物語を分析する際の分析枠組みを精緻化させた。分析枠組みの精緻化に際しては、「NHK朝の連続テレビ小説(朝ドラ)」の制作者とディスカッションも重ね、成長をとらえる指標の具体的検討もおこなった。 そのうえで、朝ドラにおいてどのような女性の成長物語が描かれてきたのか、各作品の脚本をもとに(1)ビルドゥングスロマンの基本的なモチーフである移動、困難・挫折、乗り越え、成長と、(2)作品に登場する主人公を中心とした人間関係についてデータベースを作成した。データベースをもとに時系列変化と多様な描かれ方について量的に分析し、知見をまとめ学会発表ならびに論文投稿の準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、課題に計画的に取り組み、NHK朝の連続テレビ小説における女性の成長の描かれ方に関するデータ化を順調に進め、量的分析をおこなうことができた。ただし、質的分析については、それぞれの時期の代表的な作品について読み込みを進めている過程にあり、次年度に引き続き分析を実施し、結果をまとめ、量的分析の結果ともあわせて考察を進めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の実績を踏まえて、NHK朝の連続テレビ小説における女性の成長の描かれ方に関する量的・質的分析について、引き続き研究を継続する。また、研究計画で予定していた『赤毛のアン』の世代別受容者分析に取り組むとともに、今後、10代から70代の各世代の男女を対象として「成長」経験に関する質問紙調査行うための質問項目の検討を始める。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)