Project/Area Number |
23K02192
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09020:Sociology of education-related
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
今田 絵里香 成蹊大学, 文学部, 教授 (50536589)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2027: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 少年少女雑誌 / 男女共学 / 男女の恋愛 / 同性同士の親密な関係 / メディア / ジェンダー / 少年雑誌 / 少女雑誌 / 女性同士の関係 / 異性愛関係 |
Outline of Research at the Start |
戦後、男女の教育環境は大きく変容する。1947年3月に教育基本法、学校教育法が制定され、1947年4月に小学校、新制中学校、1948年4月に新制高校が整備され、男女共学が原則とされた。これに伴い、少女雑誌文化も急激な変化を遂げる。その最大の変化は同性同士の親密な関係の排除と異性愛関係の導入である。戦前日本では中等・高等教育は原則として男女別学であるため、少女雑誌に異性愛関係が導入されることはなかったといえる。本研究はこのような戦後日本の少女雑誌文化における同性同士の親密な関係の排除と異性愛関係の導入の過程を明らかにし、それを通して戦後のジェンダー秩序と異性愛主義の分かち難い関係を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、戦後日本において男女共学が実施されるとともに、少女雑誌がいつ、そしてどのように、男女の恋愛を描き出したのかを明らかにした。戦後、男女共学が実施され、中等教育機関において男子生徒と女子生徒がともに学ぶようになった。このような現実世界の変化について人びとはどのように意味づけをおこなうよう仕向けられたのだろうか。人びとの意味づけに大きな影響を与えたのはメディアである。女子中学生・高校生が接したメディア、とくにもっとも身近なメディアであった少女雑誌は、彼女たちに意味づけのための枠組みを与えたと考えることができる。そこで戦後日本の少女雑誌である『ひまわり』1947年1月~1952年12月号、『ジュニアそれいゆ』1954年7月~1960年10月号の小説、読者の投書、編集者の記事を分析し、『ひまわり』の小説は女同士の友情に関する小説、家族・親族の愛情に関する小説が多数を占めていたが、『ジュニアそれいゆ』の小説は男女の恋愛に関する小説、家族・親族の愛情に関する小説が多数を占めていたこと、『ひまわり』の読者投稿欄には多数の「憧れの君」に関する投書・ごく少数のボーイフレンドに関する投書が見られたが、『ジュニアそれいゆ』の読者投稿欄には「憧れの君」に関する投書はなく、多数のボーイフレンドに関する投書が見られたことを明らかにした。1955、1956年を境に「女同士の友情に関する小説・エスに関する小説から男女の恋愛に関する小説へ」「多数の「憧れの君」に関する投書・ごく少数のボーイフレンドに関する投書から多数のボーイフレンドに関する投書へ」という変化が起きたことを示した。編集者によると、そのような変化が起きたのは、男女共学の実施を背景に男女の友情が奨励されるようになったためであるとされていた。これは北田暁大・東園子編『岩波講座社会学第12巻 文化・メディア』岩波書店にまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度は、『ひまわり』『ジュニアそれいゆ』という少女雑誌を分析し、戦後日本の少女雑誌文化における同性同士の親密な関係の排除と異性愛関係の導入の過程を明らかにし、それを通して戦後のジェンダー秩序と異性愛主義の分かち難い関係を明らかにした。そのため本研究目的を概ね達成しつつあるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き戦後日本の少年少女雑誌文化における戦後日本の少女雑誌文化における同性同士の親密な関係の排除と異性愛関係の導入の過程を明らかにし、それを通して戦後のジェンダー秩序と異性愛主義の分かち難い関係を明らかにするとともに、新しく比較の視点も取り入れる。比較の視点を取り入れた研究はまだ充分に達成できているとはいえないため、今後は欧米の少年少女雑誌文化と比較し、戦後日本の少年少女雑誌文化の特徴を把握することに重点を置いて研究を進める。
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