Project/Area Number |
23K02326
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09030:Childhood and nursery/pre-school education-related
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Research Institution | Nagoya College |
Principal Investigator |
高須 裕美 名古屋短期大学, 保育科, 准教授 (80413285)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 子どもの音楽的感性 / 保育者の専門性 / 保育者の音楽理解 / 保育者の表現力 / 指導法 |
Outline of Research at the Start |
本研究では, 保育者から発信する創造的な「音楽的行動」の教育的意義と即興的な遊び中核にした指導法を提案する。また, 保育現場での適用を視野に保育者と共同して行う。子どもの発する「自由な音楽行動」を認めることは,言葉や感情を表現する「創造力」「意欲」など自己表現に必要な能力を獲得し,様々な能力を幼年期以降に可能にする。このことから, 子どもが自己表現を楽しむことに着目する視点を保育実践者らが再考できるような実践を提案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,保育者・教師の音楽理解と表現力を育成する指導法を提案し,その有効性を明らかにすることである。感性に関わる先行研究を手掛かりに, 幼児の音楽的感性を定義し,現代の子どもを取り巻く音環境や音楽的行動に関する先行研究を整理することによって,子どもの音や音楽に関わる表現の課題と保育学生の実態に則した養成上の課題を明示する。また,保育者の音楽に対する不安要素を払拭する指導法の開発が,指導者としての自己効力感も促進するという仮説を,いくつかの実践により検証していくことを目的としている。令和5年度は,実施計画に基づき,以下の点について研究を進めた。
1. 保育者や教師の音楽表現活動実践を妨げる不安要素を明らかにするために,保育者養成の学生や保育者を対象に予備的な実態調査を行った。また,ベテラン保育者を対象にした調査から,子どもを取り巻く環境を聴く行為にも目を広げて表現をとらえる重要性について記述調査を行い,指導法開発の基盤の準備を行った。 2. さまざまな音を聴く活動についての文献研究を1980年代から網羅し日本における研究動向,並びに,未就学施設や学校における関連する実践から保育者養成課程に関わる表現の課題の抽出を行い,論文にまとめた。 3. 保育者・教員養成課程の授業に活用できる指導法を施行的に実施し,弾き歌いの場面における受講者の心的な変容を質的に考察する分析を行った。個人レッスンにおける受講者の不安要素を払拭する指導法の検証を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当年度に実施することとした3項目について, 1については保育者や教師が音楽表現活動を敬遠する妨げとなる不安要素の具体的な内容を明らかにすることにより, 指導法の基礎となる部分を構築できた。これらは, 聞き取り調査の類いの情報ではなく量的情報が多く, 不安要素の原因となった情報は得られていないため, 令和6年度以降は意識して収集していくことも検討している。2については, 論文としてまとめることができた。これらの知見を生かした指導法の多角的な構築を目指したい。3については, 養成教育課程の受講者の自己評価における意識の変容から, 不安要素を払拭する過程の理解が進んだが, 子どもの表現が頻繁に見られる保育者養成教育に絞っていえば, さらに収集すべき量的データがあろうと考えられる。以上を総合すると, 概ね順調と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度以降については,計画に従って研究を進めていくことを考えている。特に,未就学施設における現場の連携・協働については,現場の保育者からの実践経験を得ることのできる環境にあるため,その点を手掛かりに,実践例が指導法の実践や自己効力感を促進していることを検証できるという仮説を立証できるような調査を心がけていく。受講者が指導法を経験し,保育・教育現場でいかに音楽表現の重要性を感じ取ったり, 子どもの表現の幅の広さを見とったりしているのかという調査結果を踏まえつつ,予定計画をより充実した調査計画を作成して,今後の調査・分析に臨む。 令和5年度は,基礎データの収集に時間を考慮したために,成果を得つつも,物品費が下回った。データ分析についても,当初と若干異なる形で計画が進んだことが,その要因となった。今後は,蓄積された文献を一層取得する必要を認めているので,そのための費用に充てるとともに,指導法検証の準備及び実施のための費用を中心に使用したいと考えている。
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