Project/Area Number |
23K02387
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
川原崎 知洋 静岡大学, 教育学部, 准教授 (10512535)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 問題発見力 / 中学校美術科 / デザイン教育 / 教材開発 / デザイン教材の開発 |
Outline of Research at the Start |
社会構造全体が大きな変革期を迎えている現在、規定された問題を解決する力のみならず、解決すべき真の問題を発見し、創造的に課題を設定できる「問題発見力」への関心が高まっている。デザイン教育における問題発見力の育成に関して、すでに高等教育において親和性が認められており、新たな能力観に基づいた教育プログラムとして、デザイン教育全体の進展にも期待が寄せられている。 本研究の目的は、主に中学生を対象とし、「問題発見力」を育成するためのデザイン教材を開発することにある。本研究における「問題発見力」は、①解決すべき真の問題を発見できる力、②アイデアに包含される価値を発見できる力、以上の2つの能力として規定する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、主に中学生を対象とし、「問題発見力」を育成するためのデザイン教材を開発することにある。本研究における「問題発見力」は、①解決すべき真の問題を発見できる力、②アイデアに包含される価値を発見できる力、以上の2つの能力として規定する。本研究によって、デザインによる学習を「問題発見と問題解決を往還する学習」として捉え直すことで、中学校美術科のデザイン教材の新たな視点を提示することが可能となる。 今年度の研究成果として、伝統工芸士の杉山茂靖氏と連携し「伝統工芸」や「地域」の価値や魅力についてデザインリサーチを通した実践研究に取り組んだ。具体的には「地域資源を活用した地域コミュニティの活性化」、「地域に潜在する価値を発見するデザインプロジェクト-大谷・小鹿地区のまちづくりを通して-」、「駿河竹千筋細工による乳児に向けたおもちゃのデザイン開発とその行動観察」、「駿河竹千筋細工によるオーナメントのデザイン開発」に取り組んだ。これらの研究成果は『「静岡の技」の新たな価値を切り拓くデザインプロジェクト-駿河竹千筋細工の職人と共創するデザイン-』静岡大学教育学部附属教育実践総合センター No.34, pp.1-8(2024年3月)、『De+sign atelier special edition』pp.15-26(2024年3月)として執筆した。また、中学校美術科の授業実践の研究成果については『中学校美術科の教材開発と授業実践2―教科専門からアプローチする附属静岡中学校との連携―』 静岡大学教育学部附属教育実践総合センター No.34,pp.230-237(2024年3月)、『問題発見力を育成するデザイン教育』造形ジャーナルNo.444開隆堂(2023年8月)として執筆し、『問題発見力を育成するためのデザイン教材の開発』大学美術教育学会香川大会(2023年9月)として研究発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は主に地域に潜む問題や価値を発見するためにデザインリサーチを通した実践研究を行なった。今年度はその知見を活かし、中学生を対象とした新たなデザイン教材を開発する。表現活動だけでなく、既存のデザイングッズやデザイン製品などに含まれる価値を調査研究しながら、鑑賞活動におけるデザイン教材も開発する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究はこのまま計画通りに推進する。今年度も引き続き「問題発見力(解決すべき真の問題を発見できる力)」を育成することを目的とした教材を開発する。デザインを提供する対象者を深く理解するために「ペルソナ法」を援用した教材を開発する。ペルソナ法は行動様式に特徴のある対象者に絞り込むことで、その対象者が潜在的に求めている欲求を発見するために有効な手法である。教材の効果測定として「ペルソナ法を援用してデザインする群」と「自由にデザインする群」とで比較し、問題発見プロセスが生徒の思考プロセスと作品にどれだけ影響したのかについてアセスメントツールを用いて効果測定する。2年目までに開発した「解決すべき真の問題を発見できる力」を育成するデザイン教育プログラムとして理論化し、国内学会において成果報告を行う。
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