Project/Area Number |
23K02429
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
田中 浩紀 弘前大学, 教育学部, 准教授 (70910686)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 石灰質ナノ化石 / 微化石 / 中等理科教育 |
Outline of Research at the Start |
身近に貝化石などの大型化石をほとんど産出しない東北地域において,俗に超微化石と呼ばれる石灰質ナノ化石を中等理科教育において教材化するために「石灰質ナノ化石観察・同定マニュアル」を作成する。そのため,①青森県を中心に石灰質ナノ化石の産出層準を調査し,②地層及び種ごとに教材としての使用可能度を示すインデックスを開発する。③現物試料として,学校建設当時のボーリングコア試料の利用を試みる。そして中学校・高校で授業を実践し,教育効果を実証するとともに作成したマニュアルの有用性等を評価する。
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Outline of Annual Research Achievements |
火成岩,変成岩等化石の産出が少ない岩相が優勢な東北地方において,実際に化石の発見,同定,分析等を生徒が行えることを目指し,俗に超微化石と呼ばれる石灰質ナノ化石を教材化する。そのために,指導する教員や生徒が生徒用顕微鏡下で発見・同定できる石灰質ナノ化石の試料を探索することを第1年次の主目標とした。 まず,文献調査を行い,青森県内の海成堆積岩が分布する地層を十数層ピックアップし,露頭調査の可能性を既刊の地質図幅と照らし合わせながら検討した。その結果,青森県津軽西部に広く分布する舞戸層,赤石層,鳴沢層,深浦町に分布する田野沢層,大童子層の現地調査及びサンプリングを行い,ナノ化石検鏡用として65試料採集した。65全試料について試料処理,検鏡を行い,4試料から大量の石灰質ナノ化石を検出した。石灰質ナノ化石を検出した試料については,産出したナノ化石の光学顕微鏡写真を撮影し,後日ナノカタログを作成するために整理保存中である。 とくに,石灰質ナノ化石によって地層の堆積年代に新たな知見がもたらされた舞戸層については,現在,学術誌に投稿する準備を進めているところである。 第1年次の予定として,青森県内の中学校・高等学校に学校敷地のボーリングコア試料及び資料の有無,その授業活用への意思等を調査するアンケートを実施する予定であった。このうち令和5年度は,まず地学系の教員がおり,科目「地学基礎」が開講されている高等学校を対象にアンケートを実施したが,有効回答はゼロであった。令和6年度は,調査項目,調査方法を再検討し,改めて青森県下全高等学校,中学校にアンケートを実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
身近な地層教材を各学校が得られるように,各学校の敷地ボーリング試料・資料の活用を考えアンケート調査を高等学校に実施したが,調査内容・方法が分かりづらいなど今一つ適切でなかっため有効な回答が得られなかった。 フィールド調査を行い,まずは青森県内の石灰質ナノ化石産出層準を縦横に探索する予定であったが,令和5年度は東北各地で熊の出没被害が異常に多かったため,安全を考慮し調査に入れないケースが多発した。 石灰質ナノ化石の産出状況が予想していたよりもはるかに悪かった。令和5年度は65試料を採集し,当初予想ではそのうち半分以上くらいの頻度でナノ化石が産出するのではないかと考えていたが,実際はわずか4試料,産出率6%であった。このため,ナノ化石検鏡に要する時間が膨大となってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
青森県内の高等学校,中学校に対して,学校敷地ボーリングコア試料及び資料の有無,理科教材化への意欲等をアンケート調査する。その際,石灰質ナノ化石に限定せず,他の微化石や地層教材への活用や,大学教員との連携授業の実施等についても希望や意欲の有無について調査する。石灰質ナノ化石の教材化といわれても何のことか分からず,アンケートに回答する意欲もわかないという可能性があるが,地質領域全般についての学校保有試料の利活用となれば,少しは興味・関心を持ってもらえるかもしれない。さらに,調査の方法も,令和5年度に行った質問紙郵送回答に加え,インターネット上で回答できるように工夫しより回答しやすくする。そのため,微化石教材に係るWebページの新設を行う。 石灰質ナノ化石の同定マニュアルを作成するため,すでに産出が確認されている舞戸層,大童子層の試料について,光学顕微鏡写真の撮影・整理をすすめるとともに電子顕微鏡写真の撮影をする。同時に,産出が確認された石灰質ナノ化石について,教師や生徒が同定可能かどうかその難易度を指数化して評価する。 石灰質ナノ化石探索の範囲を,青森県東部に拡大する。熊被害の危険性を考慮し,海岸露頭を中心に行う。
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