Project/Area Number |
23K02441
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | Tottori University of Environmental Studies |
Principal Investigator |
川口 有美子 公立鳥取環境大学, 環境学部, 准教授 (40616900)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 連携型中高一貫校 / 探究的な学び / 地域人材 / 地域創生 / 中山間地域 / 過疎地域 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、教育行政・学校経営学的視点より、連携型中高一貫校における地域人材育成に資する「探究的な学び」の促進要因を明らかにする。「探究的な学び」は、新学習指導要領の実施に伴い、今まさに手探りをしながら現場で試みられている。ただし、連携型中高一貫校における「探究的な学び」には、設置者間の障壁も乗り越える必要があり、それぞれの設置者としての教育行政のありようはいかにあったらよいのか、及び、それぞれの学校内部におけるカリキュラム・マネジメントや中学校-高校間の連携体制にはどのようなしくみが有効であるのか、といった学校経営の問題とをあわせて解明していく。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、教育行政・学校経営学的視点より、連携型中高一貫校における地域人材育成に資する「探究的な学び」の促進要因を明らかにするものである。1年目の本年度は、先行研究レビューや最新動向の情報収集を行いつつ、次年度以降の本格調査(質的・量的ともに)に向けて、探索的な事例調査を行った。主要なものを挙げるとA県B市に所在の連携型中高一貫校(2市立中・1県立高)と、C県D市に所在の連携型中高一貫校(2市立中・1県立高分校)への訪問調査であった。管理職を中心としたインタビュー調査のほか、「探究的な学び」の授業場面の観察も行った。いずれの所在地も中山間地域であり、地域人材の育成に学校は強い危機意識や切迫感を有していた。 前者の事例については、日本教育制度学会第30回大会自由研究発表にて成果発表を行った。そこで明らかにしたことは、連携型中高一貫校であるという制度的要因は「探究的な学び」を促進する主要要因であること、ただし、特に高校では中学校との接続性、もっというと、連携中学出身生徒の学びの発展性をいかに担保するかに向き合っていたことが明らかとなった。 連携型中高一貫校が制度化されて20年余りが経過した。連携型高校における連携中学校からの生徒確保問題は、現在においても解消されてはいなかった。近年、全国的な傾向として支援を要する生徒が中学・高校において増加している中にあって、事例校においても例外ではなく支援を要する生徒の教育も手厚く行われていた。特に高校側は、中山間地域の地域創生に貢献することよりも、少人数で地域に溶け込んでいる環境の下で学びたいという生徒や保護者のニーズがあることを重んじた学校運営や学びの提供を行っていきたいと考えていた。連携型中高一貫校のパーパスはどうあるべきか、地域人材育成への役割期待と生徒の実態・ニーズとどのように向き合っていくのか、これまでになく迫られているといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
設置者(行政)調査が十分に実施できなかったことと調査票の開発が遅れている。連携型中高一貫校を対象とする行政調査の場合、異なる設置者(少なくとも2件)を対象とせねばならない。先方とのラポール形成も含め、間に合わなかった状況がある。ただし、「研究実績」で挙げた探索的な事例調査以外にも訪問調査を実施し情報収集ができたため、中高一貫教育や「探究的な学び」に関する現状や課題の多様性を掴むことはできた。
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Strategy for Future Research Activity |
調査票の開発については、先行研究の蓄積が多い併設型中高一貫校(公立)の教員を対象とした調査票を参照しつつ、また、事例調査を実施した学校の協力も得ながら開発を進めていきたい。設置者(行政)調査についても、本年度実施した事例校の設置者には調査を実施したい(A県とB市、C県とD市)。 学会発表を通じて得られた示唆として指摘できることは、本研究が多様な分析観点・成果の広がりが期待できる一方、研究の準拠枠・焦点が曖昧になる危険性を孕んでいることである。十分に留意しながら研究を進めていくこととする。
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