国際教育におけるレイシズムに関する教育者の意識と教育的取り組みに関する質的調査
Project/Area Number |
23K02547
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09050:Tertiary education-related
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
塚田 英恵 一橋大学, 森有礼高等教育国際流動化機構, 講師 (80961995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 由紀 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 准教授 (60600111)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 人種差別 / 人種主義 / レイシズム / 民族差別 / 国際教育交流 / 国際化 / 異文化間教育 / 国際教育 / 権力関係 / 教育実践 |
Outline of Research at the Start |
日本の大学は、学生の国際的な移動や交流を取り扱う国際教育において、文化的差異の受容力や対応力の育成を目的とした異文化間教育に大きな力を注いできた。一方で、先行研究では、学生たちの国際教育経験におけるレイシズムの問題が指摘されてきた。しかし、国際教育を提供する教育者たちが、国際教育とレイシズムの関係をどう捉え、自らの教育に取り入れているのかという現状は知られていない。そこで、本研究は、日本の大学で国際教育に携わる教員たちの国際教育とレイシズムの問題の関連性に関する意識と教育的取り組みを探り、今後、国際教育に反レイシズム教育を統合していくために求められる課題とその可能性を明示することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
プロジェクト1年目は、文献調査を中心に行い、研究の焦点を明確化し、調整することで聞き取り調査実施の準備を進めた。まず、本研究は、「国際教育におけるレイシズム」をテーマとしているものの、日本の大学教育において、「国際教育」に明確で共通した定義がないことから、日本政府の高等教育の国際化政策や大学の国際化に向けた取り組みの変遷を辿り、その中で重点が置かれてきた正課・非正課の教育的取り組みを「国際教育交流」と捉え、その具体的内容を明確にし、研究対象者や研究のコンテキストの設定を固めた。 また、日本における「人種」の概念に関する文献調査を中心に行い、本研究における「人種」という概念の捉え方を明確にした。さらに、日本内外の国際教育交流においてどのように人種差別や人種主義が表出しているかについての文献など、本研究に関連した実証的研究をもとにした文献も精査した。 現在は、これらの文献調査結果を令和6年6月に開催される学会で発表する準備を進めるほか、それを投稿論文にまとめる作業を行っている。 さらに、聞き取り調査の質問票や研究説明書兼同意書の作成を終え、現在は、研究代表者の所属大学において研究倫理審査を申請中である。同時に、聞き取り調査参加候補者の選定作業を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1年目のうちに研究倫理審査および聞き取り調査協力者の選定を完了する予定であったが、2年目初頭の現在、まだそれらの作業を進行中である。その理由としては、上記のとおり、本研究のテーマの「国際教育」に明確な定義もなかったことから、文献検索と精査に予想以上に時間がかかったことが挙げられる。さらに、日本と海外の異なる社会的・歴史的文脈の中で構築されてきた人種の概念を結びつけ、本研究における人種概念の捉え方の検討に多くの時間を要した。しかし、現在、こうした文献調査に基づく学会発表や論文投稿に向けたアウトプットの作業を進めると同時に、聞き取り調査実施に向けた準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目は、まず、6月に開催される学会で文献調査の結果を発表し、そこで得られたフィードバックをもとに本研究の概念的土台を固めていきたい。それと同時に、年度の前半に聞き取り調査を開始し、後半には共同研究者と共同でデータ分析を集中的に行い、年度末にはその結果をまとめて国際学会における発表につなげ、海外における類似したテーマの研究の動向と結び付けながら、研究結果をさらに発展させ、3年目の研究の総括とアウトプットにつなげたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)