| Project/Area Number |
23K02714
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 09070:Educational technology-related
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| Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
平岡 斉士 放送大学, 教養学部, 准教授 (80456772)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 徹 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 准教授 (60589323)
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| Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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| Keywords | 行動変容 / 態度学習 / マンガ教材 / ゲーム教材 / 学習シナリオ作成支援 / マンガを用いた学習 / ゲームを用いた学習 / ストーリー作成支援 / コミックラーニング / げーミィフィケーション |
| Outline of Research at the Start |
学習目標に到達しても、それを実際に使うという行動変容につながらないことがよくある。一方、漫画やゲームなどのストーリーを楽しむメディアによって、人が行動に駆り立てられることもよくある。登場人物に自分を投影したり、登場人物の行動によって代理強化されたりすることが、行動変容をうながすと考えられる。本研究では「学習目標を達成させた上で行動変容をうながす学習プロセス上のストーリー」と教材設計の特性を明らかにして、漫画・ノベルゲーム教材のストーリー作成支援ツールを作成する。そうすることで教育設計・物語作成の専門家でなくても行動変容をうながす漫画・ノベルゲーム教材を設計できるようにすることを目的とする。
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、専門的な教育設計や物語創作の知識がなくても、学習者の行動変容をうながす漫画教材やノベルゲーム教材のストーリーを設計・制作できるようにする支援ツールの開発を目的としている。2024年度は、2023年度に構築した「行動変容をうながすストーリーデザイン原則案」に基づき、具体的な教材制作支援の枠組みを構築・検証する段階にあたる。まず、行動変容をうながすシナリオに必要な要素や構造を明確にするため、既存の漫画・ゲーム・小説等のストーリー事例や制作マニュアルの文献レビューを行った。その際、インストラクショナルデザイン、動機づけ理論、応用行動分析の知見を参照しながら、教育的文脈における「効果的なストーリー」の共通特性を抽出・整理した。 それらの知見をもとに、態度学習や行動変容に適したストーリー構造のフレームワークを提示し、実験的にシナリオを複数作成した。作成されたストーリーは、行動選択の背景にある認知的・感情的プロセスを意識した構成となっており、「よくある話」の枠を超えないものの、教育効果の観点からは一定の有効性が期待できると判断された。 また、研究成果として「メディアの特性を活かしたゲーム教材の設計フレームワークの提案」「態度学習のためのマンガ教材ストーリー設計フレームワーク案」を国内学会で発表し、研究コミュニティからのフィードバックを得ることで、理論的枠組みの精緻化にもつなげている。 さらに、教材制作においては、ストーリー設計の支援だけでなく、実際のビジュアル制作にかかわる課題(例:マンガ作画の専門性)も明らかとなり、今後の実践的な教材開発支援に向けて、AIツールの活用や協力団体との連携の可能性を視野に入れた検討も進めている。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2024年度は、ストーリー作成支援ツールの開発に向けた準備として、まず漫画とゲームの教材設計に関する文献調査と分析を重点的に行った。レビュー対象には学術文献のみならず、シナリオ構築やナラティブ理論に関する実用書や一般書籍も含め、教育目的との適合性を検討した上で、ストーリー構造やキャラクター設計、状況設定に関する要素を抽出した。これらをインストラクショナルデザインの理論に照らしながら再構成し、行動変容をうながす教材設計のフレームワークとして提示できる形に整理した。
本年度は研究代表者と分担者によって複数のストーリーを試作し、初期評価を行った。現在のところ、作成されたストーリーは教育的観点からは一定の妥当性を持ちつつも、物語としての独自性やエンタメ性に課題が残る点が明らかとなった。一方で、教材の「楽しさ」や「面白さ」が学習の動機づけにおいて重要な役割を果たすことも実感された。特に、視覚的な魅力が大きく影響する漫画においては、絵の制作が専門的スキルを要することが大きな障壁であることが分かり、今後の制作体制に課題が残っている。
なお、成果の一部は教育工学系の研究会で発表され、専門的観点からのフィードバックも得られた。研究体制としては、現段階では研究代表者・分担者のみで進行しているが、今後は協力者を招いてさらに多様な視点を取り入れていく予定である。
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| Strategy for Future Research Activity |
2025年度は、これまでに得られた知見と課題をもとに、ストーリー作成支援ツールをノベルゲームの形式に対応させるべく拡張・精緻化を行う予定である。まず、既存の支援フレームワークに分岐構造やプレイヤー選択の要素を統合し、ノベルゲームに適したストーリー設計の支援機能を追加する。また、協力者によるストーリー試作とその検討を通して、ツールの有効性と限界を実証的に評価する予定である。 並行して、生成AIを活用したマンガのビジュアル作成支援や、ノベルゲームの制作ツール(例:ティラノビルダー等)の活用可能性についても検討し、制作負荷の軽減と教材の品質向上を図る。これにより、教育の専門家や現場の教師でも活用可能なツールとしての汎用性を高めていく。
さらに、作成された教材について小規模な実証実験(形成的評価)を行い、行動変容や態度変容における学習効果を検討する予定である。この評価結果は、支援ツールとデザイン原則のさらなる改善に直結するものであり、研究成果の最終的な社会実装に向けた重要なステップとなる。また、企業研修や教職課程など、実社会への応用可能性についても事例調査を進め、社会的意義のある応用展開を見据えた研究推進を図っていく。
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